セリフ詳細

2004年の作品です。

つまり、東関東大震災も津波も原発の事故もまだなかった時代に書かれた、超弩級災害小説。


よくSF作家は見たこともない未来をまるで見てきたかのように書いたりしますが、ほんと、そんな感覚です。あの生々しい震災の記憶どおりに、(別の惑星の、はるか未来の出来事ですが)大震災が人々の暮らしを直撃し、多くの人が巻き込まれ、ある者は傷つき、ある者達は生き別れになり、ある者は死に。。。未曾有の大災害に対して、ケシ粒のような人間たちがどう戦うのか。克明に描き切った大作です。


おそらく阪神大震災の経験から書かれた作品だとおもうのですが、それにしてもよくもまあここまでマクロな災害視点から陰謀・策略の渦巻く政治の世界、そしてミクロな個人視点まで仔細に描けるものだと感心してしまいました。1巻では災害描写が克明すぎて、かなりキツかったりもしましたけど、、目をそらすわけにはいかない! なんて思いながら読み進めましたですよ。

で、突然の大災害に為す術もなくやられっぱなしだった人々が、タイトルの通り復活していく様は国家としての成長物語のようなカタルシスがあって、最後にはぷるぷる震えながら読んでました。いいですよーw

作品タイトル:らせんの本棚・V

エピソード名:『復活の地』

作者名:神楽坂らせん  K_rasen

134|創作論・評論|連載中|100話|100,031文字

レビュー集, ネタバレなし, なんでもかんでも, アトランダム, コミック, 小説, SF, 技術書, いろいろあるよ

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地道に不定期更新。神楽坂らせんが読んで「グッ!」と来た本達の紹介レビュー集です。
アトランダムに食指が動いた本を乱読しています。
基本、ネタバレはなしで、なるべく内容をバラさずに本の面白さを紹介するように心がけています。
ですから対象本を読む前に読んでいただいてぜんぜんオッケー!
読んだあとから読んでいただくと、「そうそう!」って言いたくなる、そんなレビューにしているつもりです。

順番関係なくどこからでも気になったタイトルをどうぞー♪

※Google+の『本が好き』というコミュニティへの投稿が元になっています。2019年4月にGoogle+が閉鎖されてしまうという話もあり、この先どうなっちゃうのか心配ですが、まあいけるところまでまったり行こうとおもいます〜。