セリフ詳細

読んでない自分にはよくわかりませんが、川上弘美(かわかみひろみ)氏や菊池良(きくちりょう)氏はこのように評しております。


「職場、あるいはある人数の中での男女関係、人間関係を立体的に描き得ている作品。いかに書くかと言う技術が非常に優れていると評価されました。人間の中にある多面性が非常にうまく描かれていた」

(芥川賞の選考委員の川上弘美(かわかみひろみ)


「さまざまなタイプの人間がひとつの職場で働く会社という場所で、いらつきや理不尽を感じながらも関係を構築しなければならないひとびとを描いています。現代人が日常的に感じる人間関係の難しさ、割り切れなさを書いた作品なのです。」(菊池良(きくちりょう)


作品の登場人物には、前職でハラスメントを受けた女性社員がでてきます。彼女には、しんどい仕事を任せないことが暗黙の了解となっており、体調が悪いときには繁忙期(はんぼうき)でも残業しないにもかかわらず、周囲から配慮されています。それで、彼女はお菓子を作って会社でふるまうようになるんですが、このことをよく思わない同僚の女性社員がいて、ある男性社員に一緒にいじわるしようともちかけるんです。この男性も、もやもやした思いがあって、その申し出に(なか)ば応じるものの、恋愛感情も抱いていて、ハラスメントの経験がある女性社員と恋人になってしまうという、そんな展開らしいです・・・。高瀬隼子さんは、表面に出しにくい違和感やむかつきを感じたらそれをノートに書きとめる習慣があり、そのノートが創作のヒントになることがあるそうなんですが、ということは、まあ、私小説(ししょうせつ)的なところもあるんでしょうか。

作品タイトル:ビブリオカフェ

エピソード名:食と芥川賞 

作者名:本の虫  AnUnknownHand

9|その他|連載中|28話|52,528文字

哲学, 文学, 宗教

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