セリフ詳細

あ、そうそう、余談だが、

太平洋戦争が終わった、東京の焼け野原でね、

神田の岩波書店が『西田幾多郎全集』第一巻として、

『善の研究』を出した。昭和22年のことだよ。

なんとこのときは、若者たちを中心に大行列ができた!

もっと言うと、これ、前のほうは徹夜行列だったんだよね。

店のまわりを二回りしてたという。

つまりそれだけ、そいつを読めば、生きていく上で、なにか大切なものが得られる、という期待値が高かったってことなんだよ。

ちなみに、ぼくが若かった頃はというと、

若者たちの大行列はね、ファミコンソフト『ドラゴンクエスト』に変わっていたね。

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む①

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。