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感じたのは、今のコンテンツ滝の中で溺れて、なんとかとっかかりをみつけようとなさっている方も多いのかな、ということでしょうか。ゲーム、アニメ、映画、小説、いろいろとあるし。せっかくの機会なので、こちらのトークメーカーで「ぼくのママは猫の神さま」というのを書いてみても思ったのですが。物語を作るハードルはいろんなツールの便利さですごく下がっているけれど、逆に、便利さというのは人をスポイルするので、作り上げたものの質をあげるのは、結構、大変かもしれない……ということかな、と。
で、そんな時、その膨大なコンテンツの中であっぷあっぷするくらいなら、人類の千年以上の歴史の中で作られた幾億もの創作物の中で、今に伝えられている、しぶとく生き残っている古典的なものには、残るだけのすごいものはたくさんありますよ、ということで。
たとえば、わたしがいままで読んだ中で、一番、すごい、タイム・ファンタジーには、ボーヴォワールの「人はすべて死す」があったりします。
ボーヴォワールは、哲学者サルトルの伴侶で、実存主義の実践小説として「人はすべて死す」を書いたので、それをファンタジーとして読んでイイのか、と言われると、ですが。すごい話で。黒死病が蔓延する中世に不死になる薬を飲んでしまった男が、自分の人生を淡々と語り、人の命の一瞬の輝きと儚さについて、それがいかに美しいかについて明かすという物語ですが……すごいです。
地獄について書きたいなら、ダンテの「神曲」がありますし。ファンタジー書きなら、三島由紀夫の絶筆作である「豊穣の海」4部作を。ホラー好きなら、エドガー・アラン・ポーの作品集やヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」を、是非、一読していただければ。それを「勉強」と感じてしまうのなら、やめたほうがいいですけれど(笑)。
わたしたちは、芳醇なレガシーの上に、文化を築いていることに気づくんじゃないかな、と思います。
もちろん、トマス・マロリーの「アーサー王の死」、あと、最近はあまり知られていないようですが、11世紀成立の
古フランス語叙事詩「ローランの歌」なども素晴らしいです♪
作品タイトル:第四回オンライン女性作家座談会『ファンタジー小説の書き方』
エピソード名:ファンタジー座談会本室 part5
★104|ファンタジー|連載中|7話|62,979文字
ファンタジー, 創作, 小説
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第四回女性作家座談会『ファンタジー小説の書き方』開催です。
開催予定 2017年12月13日(水)午後6時〜12月14日(木)午後9時まで
開始より二時間はパネリストのみ参加となります。
二時間以降はユーザーの皆様もどうぞご参加くださいませ。
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ファンタジー小説、お好きですか?
異世界もの。
ドラゴンと騎士と魔法使い。
いまと違う宗教観を持ち、違う都市に生きる人びとの世界、キャラクター、背景や家屋に料理。
迷いなく書けますか?
想像の翼を羽ばたかせて「いざ書こう」と思うその時の、チェックポイントはどこなのか。
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ファンタジー小説を長く書き続けていらしたベテラン女性作家である、ひかわ玲子先生、架空生物たちの生態や愛らしさを描かれることに定評のある縞田理理先生というおふたりをお招きし「ファンタジー小説とは」「ファンタジー小説を書くために注意すること」さらには時間が許せばおふたりのルーツであるファンタジー小説の紹介とおすすめと読みどころなどなど、書くためのヒントやコツを座談会形式で教えていただきます。
また書き手として迷うところがあり悩んでいる皆様からのご質問なども受け付けております。
トークメーカーさんのユーザーさんの突撃質問も大歓迎。ぜひご参加ください。
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パネリスト ひかわ玲子(FT作家・翻訳家)
バネリスト 縞田理理 (FT作家)
たけうちりうと
藤沢チヒロ
佐々木禎子
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