セリフ詳細

いや、〈第三項〉だと思うよ。

たとえば芸術家と一番弟子が蜜月な関係で、いつまでも二人だけの宇宙に留まっていたのであれば、新しくきた弟子は邪魔者以外の何者でもない。芸術家が一番弟子に「わしが認めているのは、おまえだけ」なんて言ったりして、新しい弟子を一番弟子と一緒になって踏みつけるなら、これってまさに〈下方排除〉の一形態だろう。
一方で、新しい弟子がさ、「平等に扱ってくださいよ~。ボクも同じ弟子なんですから」ってな具合にさ、それでもやはり、師匠と一番弟子との間に割って入ろうとするなら、楔を打ち込みなら、この場合、新しい弟子の目は、いわば「裁きの目」となる。師匠は師匠らしくふるまうべきであり、一番弟子だけと優遇しちゃならん、そんなんであれば師匠とは言えない、と圧をかけてくる、「裁きの目」だ。

作品タイトル:哲学BARへようこそ! - 国家とはなにか?-

エピソード名:  権力とはなにか?(2)

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

18|社会・思想|連載中|21話|74,412文字

哲学, 思想, 言論, 国家とはなにか, 哲学カフェ

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「哲学カフェ」小説です。
『ソフィーの世界』のようなものだとご理解(ご容赦)ください。
内容に関する間違いの指摘や批判など、大歓迎ですので、ご意見いただき、
随時update訂正していきたいと思います。
そうなりますとまさに「電子版・哲学カフェ」ですね・・・