セリフ詳細

勝てる見込みがなければ貢物をし、面従腹背することもあるだろう。
クラストルは言う。普段は首長同士がお互いに贈り物などをし、平和裏に交流して暮らしているが、そういった関係性が壊れたときにこそ戦争が勃発する、というわけではない、と。あらかじめ平和な交際があり、その破綻が争いを生むのではなく、逆に争いの中から交際が芽生えてくる、と言う。敗者からの貢物がそうだろうし、あるいは目の前の敵と戦うとき、後ろから襲われるのヤだからさ、第三者的な立ち位置にいる部族と同盟関係をつくりたいとか思うだろう。そういうときにこそ、贈り物が必要になる。
ちなみに贈り物というのはモノだけじゃないぞ。女たちも贈られる。これまた余談だが、16世紀、スペイン人は新大陸を侵略していったんだが、友好を求めているのか、あるいは欲しいものをやるからとっとと帰ってくれと厄介払いしたいのか、現地の首長たちは贈り物をたくさん渡している。その中になんと、たくさんの女たちがいた(8)


作品タイトル:哲学BARへようこそ! - 国家とはなにか?-

エピソード名:  国家のない社会(4)

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

18|社会・思想|連載中|21話|74,412文字

哲学, 思想, 言論, 国家とはなにか, 哲学カフェ

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「哲学カフェ」小説です。
『ソフィーの世界』のようなものだとご理解(ご容赦)ください。
内容に関する間違いの指摘や批判など、大歓迎ですので、ご意見いただき、
随時update訂正していきたいと思います。
そうなりますとまさに「電子版・哲学カフェ」ですね・・・