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ただし、この〈はたらき〉は、

まずは、ぼくらにとって、なにより(内なる)意識現象として感じられるものだ。

だってそうでしょ、ぼくらは無媒介的に直接外界の〈はたらき〉を知ることはできないから。

西田のロジックでは、いわば内なる「底」を突き破って、

この世界をこの世界たらしめている〈はたらき〉を感得することができるようになる。

ちなみに、ぼくらは、起きていれば基本、意識している、ことを意識しているのだが、

このような、意識(していること)を対象としている意識ではなく、

その根本にある、根底的な意識の〈はたらき〉そのものを、

西田は直接経験と呼ぶ。

あるいは純粋経験とも呼ぶ。

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む⑧

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。