セリフ詳細

そして、そのことがすなわち、そもそもの、この世界の根源的な〈はたらき〉を悟る、ということであり、

その〈はたらき〉に身を重ねる、ということであり、

真の善とはただ一つあるのみである、すなわち真の自己を知るということに尽きている。我々の真の自己は宇宙の本体である、真の自己を知ればただに人類一般の善と合するばかりでなく、宇宙の本体と融合し神意と冥合するのである。宗教も道徳も実にここに尽きている。しかして、真の自己を知り神と合する法は、ただ主客合一の力を自得するにあるのみである。しかして、この力を得るのは我々のこの偽我を殺し尽くして一たびこの世の欲より死して後蘇るのである。】(P374-375)

という結論に、再び戻ることになる。

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む⑦

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。