セリフ詳細

――というわけでして、最初から最後までうまくまとまらない感じになってしまってお恥ずかしい限りでありますが、個人的な感慨をもうひとつ。


あたらしい才能というものが育まれる場所はいつでも「その当時に、周囲から馬鹿にされる」場所なのだと考えています。映画に携わりたいと思いながら、映画界にはもぐりこめず、代わりに当時は子供相手のものだと馬鹿にされた「アニメ」に活動場所をもとめた人たち、同じように映画にあこがれながら、代わりに映画から学んだ考えや表現の神髄をいかして、こちらも子供向きとみられていた「漫画」に活路を見いだした人たち……オタクという言葉がなかったころに始まった「コミケ」もいまでは延べ数十万人があつまる巨大イベント(世界最大のイベントという説もありますが)となりました。近い例ではいつかブームが終わるだろうと思われつつむしろ勢力拡大している《なろう小説》群も同様でありましょう。ライトノベルというものがいつから始まったのかは諸説ありますがこちらも、よろしくない表現かもしれませんが「下」に見られていたところがあったと思います。そこから始まって隆盛を迎えるのではありますが――。


何がいいたいのか若干怪しくなってきたのですが、つまりは小説、という表現形態も、この先どんどん変わっていくのかもしれません。電子書籍を閲覧するところとしてのスマホが、どこまで現在の形のままかはわかりませんが、あたらしくメジャーな閲覧媒体、記録媒体の影響で表現そのものが変化する可能性も秘めているでしょう。(その実かの『銀英伝』冒頭にありますように、人間は紙以上の記録媒体をつくることができないのかもしれませんが)


でありますが、たとえどんな変化があったとしても、物語が人に伝わり、人を癒やし、人を奮い立たせていく、という本質的なことには変わりはないのだと思います。それゆえ、書き手のみなさまどうか、これからも、主たる活動場所がどんなところであっても「何かを、イメージした誰かに伝えて、喜んでもらいたい」という思いを持ち続けて進んでいただきたいと思います。力ない一編集者ではありますが、許されるなら書き手のみなさんと一緒に、「物語の本質を常に確認しながら、さらに人に伝わり、癒し、勇気づけていくためにどんな場所を選んで、選りすぐりの才能とともに歩んでいけるのか」ということを、これからも追求していきたいと考えております。


とりあえずこんなところでしょうか。おつきあいいただきましてありがとうございました。


作品タイトル:NOVEL DAYS リデビュー小説賞 座談会(第二部閉幕!)

エピソード名:リデビュー小説賞 座談会 #6

作者名:講談社タイガ公式  kodansha_taiga

228|創作論・評論|完結|9話|126,227文字

【リデビュー小説賞】, 講談社タイガ, 講談社ラノベ文庫, 講談社ノベルス

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「NOVEL DAYSリデビュー小説賞 座談会」

現在第二部も終了いたしました。

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■参加者
司会:作家 至道流星

講談社ラノベ文庫 編集長
講談社タイガ 編集長

リデビュー賞応募者のプロ作家の皆様

■開催概要
講談社が主催する「NOVEL DAYS リデビュー小説賞」についての座談会を開催いたします!
この賞を開催するにいたったの経緯や、現在の出版市況、小説に対する思いなどを、縦横無尽に熱く語っていただきます。

「リデビュー小説賞」の応募資格をお持ちのプロ作家の方々からのコメント、ご意見、ご質問なども大歓迎です。

*応募者や応募検討中の方へのご質問などにもお答えいたしますので、今回の座談会への参加者(書き込める方)は「リデビュー小説賞」への応募資格のあるプロ作家の方に限らせていただく形にて開催してみます。

座談会は、2018年10月18日(木)の16時頃~1週間後の25日16時頃までを予定しております。

リデビュー小説の開催概要はこちらをご覧ください。
https://novel.daysneo.com/award/kodansha001.html

*こちらの座談会は開催当時の紹介です