セリフ詳細

量子論の世界では、ある電子が、どこにいるかは、実際に観測してみるまでわからない。

それは厳密な意味で「わからない」のであって、観測してないからわからない、ということではない。

ただ言えることは、あそこで電子がみつかる確率は、あそこでみつかる確率より高いとか低いとか、そういうことだけ。

これは摩訶不思議なことだが、

ある事物が私たちにとって意味のある事物であるためには、相互作用が必要、だとするなら、クリアになる。

観測していない、つまり相互作用していないのであるなら、

その事物が何者であるのか、わからない、

というより、その事物は、未だ何者でもない。

だから、どこにいるのかわからない。どういうヤツなのかわからない。属性がわからない。

観測という相互作用があってはじめて、その事物は意味のある事物として現象する。

私たちに言えることは、もし相互作用するとしたら、そこで出会える確率が、高いとか、低いとか、そういうことだけ・・・・・・

作品タイトル:西田幾多郎を読む

エピソード名:『善の研究』を読む②

作者名:千夜一夜読書人  nomadologie

19|社会・思想|連載中|9話|32,364文字

哲学, 西田幾多郎, 善の研究

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哲学者・西田幾多郎の著作を順番に読み進めていきます。