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>滝口さん

昨夜に引き続き、よろしくお願いします♪ 今日はまったりモードでやっております。
ファンタジーを書く意味……結構、語らせたら長くなるかも、ですが。やってみます(笑)。
一言で言うなら、わたしが書きたいもののど真ん中が「ファンタジー」だったから。そういう意味で、わたしは幸運だったのかもしれません。
ただ、わたしが小説を書き始めていた昭和末期、「読者となる既存の層」などというのは、ファンタジーには皆無でありました。なので、小説を書きたいわたしは、ミステリ小説などをつたなく書き綴ってあえなく玉砕していた手書き原稿などが、先日、部屋を片付けてきたら、出てきたりもしました、はい(笑)。
でも、その時、まかり間違って、ミステリーでデビューとか出来ていたら(あり得ませんが)、わたしの作家人生はすごーく短かったんじゃないかな、と思います。
何故なら、人生って、チャンスは無限にあるようで、どっこい、わりと一期一会なものなのでは、と思うのです。
デビューしたからって、本を無限に出していただけるわけでも、無限に発表できるわけでもありません。時間にも限りがあります──書ける時間、というのだって、家庭の事情だったり、自分自身の人生の事情だったりでそうそう自由にならないし。何の手応えもなければ、気持ちも折れます。そして、読者さまが、作品を読んでくださるチャンスは、本当に、一期一会で。もし、その時、心をつかめなければ、二度と読んではもらえません。
そのチャンスを、自分の「書きたいもの」ど真ん中じゃなくて、今、こういうものが売れているから、で、「とりあえず、デビューするため」「とりあえず、なんとなく、商売になるかな」で、売れ線で書いてデビューした作品で消費してしまったら……! 「売れてから、自分の好きなものを書けばいい」などと考えていても──まぁ、それでなんとかなる方もいらっしゃるので、人生はそれぞれです。でも、わりと、その道って、リスキィなんですよ。だって。好きでもないことはなかなか続けられない。
売れてるジャンルはパイが大きいです。だから、その周辺部にチャンスも大きい。でも、その中心にいるのは、そのジャンルの作品を本当に心の底から書きたくて書いている、ど真ん中の方々です。ジャンルが廃れて、パイが縮小しても、そのど真ん中にいる作家たちは生き残るけれど、周辺部にいた作家たちはあっという間に振り捨てられます。
出版する側にとっては、大きいパイにより多くの作家がいたほうがいいので、今はこれが売れているから、ということで、簡単にデビューできたりするかもしれないけれど、そうした簡単さは、いずれ、自分に戻ってきます。人生というのはやり直しはきかないので、わたしはできるだけ、自分の書きたいど真ん中で勝負を賭けることをお薦めはしています(笑)。まぁ、でも、人生はそれぞれなので、そうでない選択も、もちろん、ありです。
わたしの場合は、そんなわけで、売れる当てもなく、エフェラ&ジリオラの一作目「グラフトンの三つの流星」と「妖精界の秘宝」を書いていて。そしたら、ドラゴンマガジンの「バセット英雄伝エルヴァーズ」を書くチャンスも巡ってきたので、本当にラッキーでした。が──ラッキーなばかりが人生でもないので、紆余曲折するのもありです。
ただ、ど真ん中を書くことは、頭の隅に置いておいたほうが、とだけはアドバイスできるかも、と思います(笑)。さて、続きますよ(笑)。

作品タイトル:第四回オンライン女性作家座談会『ファンタジー小説の書き方』

エピソード名:ファンタジー座談会本室 part4

作者名:佐々木禎子  sasaki-t

104|ファンタジー|連載中|7話|62,979文字

ファンタジー, 創作, 小説

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第四回女性作家座談会『ファンタジー小説の書き方』開催です。


開催予定 2017年12月13日(水)午後6時〜12月14日(木)午後9時まで

開始より二時間はパネリストのみ参加となります。
二時間以降はユーザーの皆様もどうぞご参加くださいませ。

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ファンタジー小説、お好きですか?

異世界もの。
ドラゴンと騎士と魔法使い。
いまと違う宗教観を持ち、違う都市に生きる人びとの世界、キャラクター、背景や家屋に料理。
迷いなく書けますか?

想像の翼を羽ばたかせて「いざ書こう」と思うその時の、チェックポイントはどこなのか。
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ファンタジー小説を長く書き続けていらしたベテラン女性作家である、ひかわ玲子先生、架空生物たちの生態や愛らしさを描かれることに定評のある縞田理理先生というおふたりをお招きし「ファンタジー小説とは」「ファンタジー小説を書くために注意すること」さらには時間が許せばおふたりのルーツであるファンタジー小説の紹介とおすすめと読みどころなどなど、書くためのヒントやコツを座談会形式で教えていただきます。
また書き手として迷うところがあり悩んでいる皆様からのご質問なども受け付けております。
トークメーカーさんのユーザーさんの突撃質問も大歓迎。ぜひご参加ください。

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パネリスト ひかわ玲子(FT作家・翻訳家)
バネリスト 縞田理理 (FT作家)

      たけうちりうと
      藤沢チヒロ
      佐々木禎子

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