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>きたのさん

呪文については、縞田先生のお答えで大体、満たされているのでは、と思うのですが──。
格好良く、というのは、何にしろ、難しいです(笑)。たとえば、キャラクターで「かっこいい美形主人公」とか「美形悪役」とか書こうとしても、なかなか格好良くならなかったりします。格好、というと、外見のようですが、わりと、オナゴにしろオノコにしろ、「カッコいい♪」と思う時って、外見より中身を見るもんじゃないですか(笑)。だから、中身のないものは、呪文でも何でも、なかなか格好良くはなんない──そこが生きていく上でツライとこですよねぇ。でも、お外の世界では、生まれつきの容姿とかの不平等やハンデがあっても、想像の世界の中では、努力次第でいろんな「カッコイイ」は作り出せます。
中身については、縞田さんが語られたので、呪文の言葉の響きについて。
センスを問われますが、まぁ、なんでもいいわけです、ビビデバビデブーでも、オープンセサミ、でも、メルロンでもバルスでも。ただ、この世の中には、音声学とか言語学とかの学問もあって。わたしが大好きなトールキンなどは、もともと、言語学者としてのほうが有名でした。そうした本を読んでみるのもいいし。
で、世の中には、いろんな言語があって。例えば、王、とか、皇帝、とか、神、とかを示す言葉というのは、人の心に心地悪くなる響きは使われていなかったりするわけです。
たとえば、エジプトでは、シャー、というのは王を表す言葉だったわけですが、シャー、という響きはすごく心に突き刺さる感じがあります。わたしも、シャヌーン、という騎士の物語を書きましたけれど、アニメだと、プリンス・シャーキン、赤い彗星のシャア、など、なんだか「特別な」響きをもたらすなぁ、と感じたりします。
たとえば、日本語だと、皇帝の、皇、という字は、すめらぎ、とも読みます。カタカナにして、スメラギ、と書き換えると、なんとなく、神秘的です。
あと、オープンセサミは、ようするに「開けゴマ」で、これはペルシャの「千夜一夜物語」の中で、アラジンと魔法のランプ、というエピソードに出てくる有名な呪文の言葉ですけれど。ペルシャ語では、どういう響きの言葉なのかは、わたしも知りません(笑)。調べてみて使ったりすると、ちょっと面白いかも? たぶん、全然違う響きで、その響きが神秘的だったりしたから、使われたんじゃないかな、と思うんですよね……。
そういう、いろんなアイディアを組み合わせると、理想の「呪文の言葉」もなんとなく生まれてくるのでは。
これは、呪文じゃなくて、キャラクターの名前、などにも応用できます。

作品タイトル:第四回オンライン女性作家座談会『ファンタジー小説の書き方』

エピソード名:ファンタジー座談会本室 part4

作者名:佐々木禎子  sasaki-t

104|ファンタジー|連載中|7話|62,979文字

ファンタジー, 創作, 小説

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第四回女性作家座談会『ファンタジー小説の書き方』開催です。


開催予定 2017年12月13日(水)午後6時〜12月14日(木)午後9時まで

開始より二時間はパネリストのみ参加となります。
二時間以降はユーザーの皆様もどうぞご参加くださいませ。

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ファンタジー小説、お好きですか?

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パネリスト ひかわ玲子(FT作家・翻訳家)
バネリスト 縞田理理 (FT作家)

      たけうちりうと
      藤沢チヒロ
      佐々木禎子

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