セリフ詳細
原文
いづれの御時(おおんとき)にか、女御(にょうご)更衣(こうい)あまた侍(さぶら)ひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際(きわ)にはあらぬが、すぐれてときめき給うありけり。はじめより我はと思ひあがり給へる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉み給ふ。
いつの時代のことでしたか、あるエンペラーの宮廷での物語でございます。
ワードローブのレディ(更衣)、ベッドチェンバーのレディ(女御)など、後宮にはそれはそれは数多くの女性が仕えておりました。そのなかに一人、エンペラーのご寵愛を一身に集める女性がいました。その人は侍女の中では低い身分でしたので、成り上がり女とさげすまれ、妬まれます。あんな女に夢をつぶされるとは。わたしこそとグレートレディ(大貴婦人)たちの誰もが心を燃やしていたのです。
作品タイトル:ビブリオカフェ
エピソード名:源氏物語の英訳が神業すぎたアーサーウェイリーとその日本語訳
作者名:本の虫 AnUnknownHand
★9|その他|連載中|28話|52,528文字
哲学, 文学, 宗教
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