セリフ詳細

この会話では、「トラウマ」という用語をあえて避けました。

絵本に対して「子どものトラウマになる」という主張があるのは承知しています。

しかし、以前紹介したフロイトの精神分析に倣えば、幼少期のトラウマは無意識に入り、後々大人になってから障碍をもたらすことになります。つまり、現在の段階では挙証ができません。

また、アドラー心理学に倣えば、トラウマそれ自体が機械的に人間の行動に影響するというより、そうした内的現実を自らの目的に対してどう使用するかに重点が置かれることになります。つまり、アドラー心理学は作者インタビューの「トラウマになるかどうかは、子ども自身が決めることで、大人が決めることじゃない」をある意味で支持していることになります。

そのため、この会話では、トラウマへの言及を避け、「小さい人」と大人の間での信頼関係の構築と、それによる発達・成長に重点を置くこととしました。これは、「小さい人」にとってはまさに現在の問題であり、かつ、将来にも影響する問題だからです。

作品タイトル:「あたしおかあさんだから」Q and A

エピソード名:「小さい人」と信頼関係を築けますか?(後編)

作者名:遊牧家族  yuuboku

170|社会・思想|完結|23話|50,850文字

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