春を惜しむ ─ 近衛基通 ─

基通三部作の第三弾です。

最終話の今回は、無能と言われ続けた近衛基通が主人公です。
基通は後ろ盾だった平家を裏切って後白河法皇の寵臣となり、親子そろって無能と言われながらも、現代まで続く近衛家を築き上げました。
近衛家三代当主・家実の日記である『猪熊関白記』には、基通が養母だった平盛子の没後二十年の正忌日に法要を営んだことが記されています。
たった一行の記述ですが、過去に平家を裏切ったことに対して、基通はやはり後悔の念を持っていたのではないかと思いました。
そこから話を膨らませています。

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