メモリーハンター - 記憶の狩人 - (連載)

約50年後の2070年。
科学技術の進歩により、人の記憶をデジタル信号に変換して別の人へ転送出来るようになった時代。

冬山の遭難事故で全ての記憶を失い、自分が誰なのかすら分からなくなった男は伊達圭一という仮の名を与えられ、メモリーハンターという職業に就いた。
メモリーハンターはある人の記憶を自分の脳に転送し、それをまた別の人の脳へ転送するという仕事をする人で特殊な技術が必要な為、その数は少ないのが実情だった。

正義感のある伊達は通常の仕事以外に警察の事件解決にも協力していたが、それは他のメモリーハンターがやりたがらないものだった。
なぜなら事件記憶の転送はその悲惨な内容を送られることによって精神に異常を来たしてしまう程危険なものだったからで、既に伊達にもその兆候が現れ始めていた。

ある日、殺人事件で唯一生き残った少女から事件記憶の転送を受けた伊達は理由もなく特別な感情を抱き、その少女の飼い犬だったコジローが事件後から行方不明だと知るとその捜索を買って出た。
犬の目撃者を見つけて記憶を転送してもらうとコジローが事件の犯人を追っているのだと判り、その犬を捜し出す事が犯人逮捕への近道だと考えるようになっていく。

やがて、警察の捜査と同様に犬の捜索も行き詰った頃、伊達の頭に全てを解決する1つのアイデアが浮かんだ。
それは飼い犬と接触している野良犬を探し出し、その記憶から手掛かりを得て犯人逮捕とコジロー捕獲の両方を成し遂げるというもので動物の記憶を人へ送るという前例のない危険な転送を伴う方法だった。

精神に異常な兆候があった伊達は犬からの記憶転送によって半狂乱となり、その後の辛く長い入院生活を強いられ、それを救ったのは…



他人の記憶によって波乱の人生を歩まねばならない記憶喪失の男のストーリー。

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