男、虎となりて人里へ流れお賃金をもらう

作者 七谷こへ

[現代ドラマ・社会派]

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【あらすじ】
海と山にはさまれたのどかなある田舎町に、ひとりの男が流れついた。

男は、なんの因果かある日虎へと姿を変じてしまった元人間であった。

虎へと変わった直後は嘆き、苦しみ、山のいただきにて涙を流すこともあったが、冷静になってみると二足歩行できるししゃべれるし住民も受けいれてくれるしでなんやかんやそこに住むことになった。快適。

その町の小さな書店で働いてお賃金をありがたくいただきながら過ごす日々であったが、ある日悲鳴が聞こえてある女性を助けると、

「その声は、トラくん!? もしかしてぼくの友だち、ペンネーム『✝月下の美しき美獣✝』のトラくんかい!?」

と昔のペンネームを叫ばれ、虎は思い出したくない黒歴史におそわれ情緒がぐっちゃぐちゃになるのであった。


【表紙】
アボット・ハンダーソン・セイヤー『トラ』1874年頃

ファンレター

我輩は虎である

書くのは苦しい、でも楽しい。中島敦系トラ男のほのぼの時々バトル短編小説。小説を書いてるよ、ということを周りの人間が知っており「書いてる?」と気軽に声を掛けてくる環境にいる。産みの苦しみや、書くことへの意義を見いだせない弱音を吐ける友人にも恵まれている。李徴と同じコースを辿ってしまうかと思いきや…。熊VS虎のバトルもあります。もちろんトラはステゴロです。

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