先生のアノニマ

作者 まと一石

[現代ドラマ・社会派]

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「本当に強い人は、普段はひっそりと大人しいもの——」
 この作品に接してくださる、私も含めた世の善良なる非力な方々へ、何かの活力になれば良いなぁと思い書いたものです。現代社会の様々な悪意に相対する「静かなる強者」が、その意外性故に少しずつ波乱に巻き込まれて行き、それに対峙して行く。そんなイメージから、奇をてらわずじっくりと、二人の男女の人生観に向き合いながら展開して行く典型的な「後出し型」の作品です。入りが素直過ぎてベタな序盤は、掴みが弱い事を自覚していますが、それは後半の振りなのでご容赦頂ければと。
「鬱積して破裂しそうな富豪のお嬢様が、厭世の貧乏人たる草食系中年に、片田舎の山中で助けられ——」そんな鉄火女と悠長男の、ベタで細やかな交流で始まる序盤。その随所で、少し法律の実情を絡めては、鬱屈した常識を淡々と非常識な行動力で覆す二人の「仮面」が少しずつ剥がれて行く中盤。積もり積もった挙句の果てに降って湧いた波乱と、それにリアルな実情を加味してドタバタする終盤。そんな現代物ラブアフェアです。
 ベタな交流は、当然ベタなままでは終わらない! お嬢様の一方的な興味で始まった仮面交流の行く末は——。その仮面が剥がれた時、男女は互いに何を見るのか——。
 プロローグとエピローグ込みで、全一九話の長編小説です。宜しければ、気長に最後までお付き合い頂ければ幸いです。尚、この小説は「小説家になろう」「カクヨム」「エブリスタ」でも掲載しています。

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