神さまになった少女

[ファンタジー]

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 彼女は願った。7年前に死んだ母親をよみがえらせくれと。そして、よみがえらしてくれるならどんな苦難も受け入れると誓い。
 奇跡は起きた。死んだ母親が確かに生き返ったのだ。戸籍上でも確かに死んでいた。DNA検査もされた。それでも、たしかに母親だ。彼女は奇跡を起こして時の人となった。彼女は物理法則を捻じ曲げる善行をし続けた。彼女はいつしか「神」と呼ばれるようになった。
 そして、物理法則を捻じ曲げる彼女の存在は、人類には耐え難いものとなってきた。いよいよ、国会で「神保護特別法」が通過し、彼女は神であるとされ、憲法の人権は止められ、彼女は研究素体としての取り合い、彼女の存在によって損害を被る者たちは暗殺を企てるようになった。
 少女は人並に幸せになりたかっただけなのに、運命は残酷だ。そして、人類は愚かで儚い。


(聖書ラノベ新人賞応募作)

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