アンヌヴンの塔の街で。
――少年レオンの眼前には、天をも衝かんばかりの巨大な塔が|聳《そび》え立っていた。
晴れた日には故郷の山岳の村から眺望する事が出来たため、ある意味見慣れているとも言えるが、こうして至近距離で見上げるのはこれが初めての事だった。
岩塩街道を外れ小高い丘の上から、とても人の手で造られたとは考えられない、巨大な鈍色の塔を見上げる。
聖歴七六二年、八の月、第五週――。
天高く聳え立つアンヌヴンの塔と、その街に住む冒険者や住人たちの、日常録と冒険譚です。
様々な種族が入り乱れるハイファンタジー群像劇になります。
この物語は、フィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。
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