籠中の比翼 吉原顔番所同心始末記

[歴史]

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 湯飲みの中に茶柱が立つとき,男は肩を落として深く溜息をつく ――

 吉原大門を左右から見張る顔番所と四郎兵衛会所。番所詰めの町方同心・富澤一之進と会所の青年・鬼黒。二人の男の運命が妓楼萬屋の花魁・綾松を中心に交差する。
 男たちは女の肌に秘められた秘密を守ることができるのか。
 一之進と鬼黒を陰日向から見守る並び矢筈の紋所を持つ侍の正体とは。
 
 江戸は吉原を舞台とした花魁小説。ここに幕が上がる。

◇2018年9月公開・イラストレーター猫月ユキ氏主催WEB企画「花魁はなくらべ」参加作品
https://yukinkzk.wixsite.com/oirankikaku

ファンレター

お読み下さりありがとうございます

石山近江さま
お読み下さった上に感想まで賜りまして恐悦至極に存じます。

この服部茂十郎(正賢/正覧)という人物、安永3年(1766年)に病没しているのですが、幼少の頃から喘息の持病があり、家督と名を継いだ後も病弱を理由に御役御免を申し出ており、御役に勤しむよりは温泉地などで養生するよう申しつけられていたらしいので、年寄職をしばしば離れて陰でなにがしか隠密行動をやっていたら面白いのではないかと思い登場させてみました。
一之進も町奉行所の内勤めに配置転換されしばらく温和しくしていなければならないでしょうが、また外廻りに出られるようになるかも知れません。
鬼黒も郭で用心棒のようなことをしていますが、ひょっとするとこの先、黒板塀の外で六尺棒を振るうこともあるかも知れません。
また三人が顔を合わせれば、何かが起こりそうな、そんな予感がします。

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