セリフ詳細

そう言うと老人は、ヨウコの背中に優しく手を置いて、奥の部屋へ続く廊下へと促した。

ヨウコは力なく少し肩を落とした様子でそっちに向かってトボトボ歩いて行った。


老人はおもむろに後ろを振り返り、もう一度、入り口のあった壁を見やった。しかしそこにはもうあの廃墟ビルへつながる入り口もネズミがくぐるほどの穴もなく、小さな日々一つ無い綺麗な白い壁だった。それを見て安堵したのか老人はニヤリとわずかに口角を釣り上げると、踵を返しヨウコの後に付いて奥へ歩いてゆくのだった。


To be continued.

作品タイトル:とある廃墟ビルディングにて~天国と地獄編~

エピソード名:第14話

作者名:Tadashi_Kimura

3|ホラー|完結|16話|75,097文字

オカルト, ホラー, 怪談, 黄昏症候群, 心霊スポット, 都市伝説, 村山台駅, 雛城高校, 行方不明, 女子高生

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学校を終えて下校中の女子高校生二人組が、最近耳にした、女の幽霊の声が聞こえるという、とある廃墟ビルディングの噂話を口にした。一人がスマホを取り出して、その廃墟ビルを探索して撮影したオカルト系YouTuber怪異シーカーズの配信動画をみている内に、好奇心をくすぐられた彼女たちは、まっすく帰るための駅には向かわず、得体のしれない何か背中を押されたかのように、その駅からそう遠くないところにある噂の廃墟ビルディングへと向った。その場のノリで見に行ったにすぎない廃墟で彼女たちが見たものとは‥‥。

これは一般小説で書いた作品を、チャットノベル化してみたテスト作品だったのですが、楽しくなってもうこっちをメインで書いてます。あとこれは、必ずしも連続性のない『とある廃墟ビルディングにて』のシリーズ姉妹作品です。