セリフ詳細

今日も油断なくゆっくりだがしっかりした足取りで歩く。吾輩の名前は助蔵。この村山台周辺ののボス猫だ。


この通りは昔は人も猫も賑を見せた商店街だったが、今は新しいビルがたちな並ぶ割に人通りがめっきり減ってしまった。最近は表通りでは野良の猫姿もまばらになったが、ひと目に隠れた場所は昔よりもことに困らない。だが人が思いもつかないようなところに安らげる場所を見つけてはひっそりと暮らしを営んでいる。


ふと人間の若者が二人、通りから奥まった方に入っていく姿が目に入った。あれはたまに儂らも立ち寄る建物だ。人に見放されて空き家になったはいビルディングの前に立ちはだかるフェンスを二人の若者はかぶれた金網を見つけてそこからすり抜けて中へと入って行く。


作品タイトル:とある廃墟ビルディングにて~天国と地獄編~

エピソード名:第11話

作者名:Tadashi_Kimura

3|ホラー|完結|16話|75,195文字

オカルト, ホラー, 怪談, 黄昏症候群, 心霊スポット, 都市伝説, 村山台駅, 雛城高校, 行方不明, 女子高生

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学校を終えて下校中の女子高校生二人組が、最近耳にした、女の幽霊の声が聞こえるという、とある廃墟ビルディングの噂話を口にした。一人がスマホを取り出して、その廃墟ビルを探索して撮影したオカルト系YouTuber怪異シーカーズの配信動画をみている内に、好奇心をくすぐられた彼女たちは、まっすく帰るための駅には向かわず、得体のしれない何か背中を押されたかのように、その駅からそう遠くないところにある噂の廃墟ビルディングへと向った。その場のノリで見に行ったにすぎない廃墟で彼女たちが見たものとは‥‥。

これは一般小説で書いた作品を、チャットノベル化してみたテスト作品だったのですが、楽しくなってもうこっちをメインで書いてます。あとこれは、必ずしも連続性のない『とある廃墟ビルディングにて』のシリーズ姉妹作品です。