セリフ詳細

「そのとおり。君の言う陰と陽とはつまり、東洋思想の太極のことだと思うが、現代科学でも量子物理学にてその原理が証明されている。上を向くものあれば下向くもの生まれる。右回転は左回転を対に持つ。神は細部に宿るとはいったものだが、人間社会にも同じように好む好まざるにかかわらず神の原理が働くのだ。例えばインターネット人格障害に陥った人々が類が友を呼ぶが如く束になると、もう一方で極性が反対の者達が束になり始める。その二曲相反関係は社会の中ではっきり顕在化し軋轢を生む。人々は己に向き合うことを禁忌しお互いを罵るだけの命題に支配される。それさえも神の手の上で転がされているに過ぎない。そして正気を保つ者達が自分たちと逆回りする暴走を止めようと必死に努力したとてすべて無駄だ。なぜなら自分たちはその逆スピンがある前提で存在しているからだ。日本人ならば言わずもがな、核爆発のようなショックの激震に襲われなければ狂信者の妄執は取り除かれない。それが神の摂理であり、物理学で言うところのパウリの排他原理だよ」

作品タイトル:とある廃墟ビルディングにて~天国と地獄編~

エピソード名:第14話

作者名:Tadashi_Kimura

3|ホラー|完結|16話|75,097文字

オカルト, ホラー, 怪談, 黄昏症候群, 心霊スポット, 都市伝説, 村山台駅, 雛城高校, 行方不明, 女子高生

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学校を終えて下校中の女子高校生二人組が、最近耳にした、女の幽霊の声が聞こえるという、とある廃墟ビルディングの噂話を口にした。一人がスマホを取り出して、その廃墟ビルを探索して撮影したオカルト系YouTuber怪異シーカーズの配信動画をみている内に、好奇心をくすぐられた彼女たちは、まっすく帰るための駅には向かわず、得体のしれない何か背中を押されたかのように、その駅からそう遠くないところにある噂の廃墟ビルディングへと向った。その場のノリで見に行ったにすぎない廃墟で彼女たちが見たものとは‥‥。

これは一般小説で書いた作品を、チャットノベル化してみたテスト作品だったのですが、楽しくなってもうこっちをメインで書いてます。あとこれは、必ずしも連続性のない『とある廃墟ビルディングにて』のシリーズ姉妹作品です。