セリフ詳細

そのとき僕は武蔵野郊外の路上で日課のコースをパトロールしていた。そのすぐ横を乱暴な運転のクルマが通過して行った。その風圧をもろに受けた僕は不覚にもビビってしまったのだった。


意図せず尻尾が天を向きながら一瞬固まっていたらしい。一歩間違えたらお陀仏だったと思いながら、改めてその暴走を目で追って消え行く姿を睨みつけていると、道路を挟んで反対側の歩道を歩く制服を着た少女二人組がおしゃべりいている姿に気づいた。あの色と柄はたしか雛城高校の生徒で、村山台駅へ向かって下校中なのだろう。


彼女たちは、しばらくそのまま道なりに歩いて行くと、道路沿いにある喫茶店に入っていった。


僕はゆっくりと油断なく後をついて行って、喫茶店の前てま立ち止まって、背なかをくーっとひと伸びしてから店内を見上げてみると、あの少女らはガラス越しのテープルに着いて外の方を向きながら、おしゃべりの続きを始めた。

作品タイトル:とある廃墟ビルディングにて~天国と地獄編~

エピソード名:第1話

作者名:Tadashi_Kimura

3|ホラー|完結|16話|73,203文字

オカルト, ホラー, 怪談, 黄昏症候群, 心霊スポット, 都市伝説, 村山台駅, 幽霊, 高校生, 超古代文明

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学校を終えて下校中の女子高校生二人組が、最近耳にした、女の幽霊の声が聞こえるという、とある廃墟ビルディングの噂話を口にした。一人がスマホを取り出して、その廃墟ビルを探索して撮影したオカルト系YouTuber怪異シーカーズの配信動画をみている内に、好奇心をくすぐられた彼女たちは、まっすく帰るための駅には向かわず、得体のしれない何か背中を押されたかのように、その駅からそう遠くないところにある噂の廃墟ビルディングへと向った。その場のノリで見に行ったにすぎない廃墟で彼女たちが見たものとは‥‥。

これは一般小説で書いた作品を、チャットノベル化してみたテスト作品だったのですが、楽しくなってもうこっちをメインで書いてます。あとこれは、必ずしも連続性のない『とある廃墟ビルディングにて』のシリーズ姉妹作品です。