ぼくのともだち(6/22)

文字数 500文字

ともだちが多いことを
やたらと自慢するともだち

ともだちが少ないことを
恥ずかしいと思っているともだち

ぼくはどちらもともだちだと思っているのだが
自慢するともだちにとっての
ぼくと
恥ずかしいと思っているともだちにとっての
ぼくとでは
かなり重みが違う

きっと
ふたりの
ともだちの定義が違うのだ

ぼくは
ともだち枠を決めている
二十人
新しく増えたら
一人減らす
減らした人が戻ることもある
五人が不動で
あとは流動的だ

ともだちは
多いか少ないかが問題でなく
一人でも十分な人もいれば
百人でも淋しい人もいるし
一人もいなくても楽しく過ごしている人もいる

自慢することでも
恥ずかしいと思うことでもなく
枠を決めることでもない

ただ
自慢することも
恥ずかしく思うことも
枠を決めることも
自由だ

ぼくのともだちは
本当は五人なのかもしれない
どこかに少ないと恥ずかしく思う部分と
二十人いたら自慢できるという思いと
二十人を超えると面倒だなという思いが
複雑に混在しているような気がする

もちろん
ぼくがともだちと思っていても
ともだちがぼくをともだちと思っていないこともある訳で
証明書はないのだから
考え始めると不安が募る

ともだちがいても
ぼくは
一人ぼっちだと思うことが
時々ある
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