第1話

文字数 925文字

夢のような夢

土曜の朝なのに悪夢を見た
だいたいそうなのだが朝方に夢を見る
なぜ 朝方に夢を見ることが多いのか
おそらく 脳の状態が
不安定になっているからだろう
そして 普段ストレスに感じていることや
不安 恐怖心が脈絡もなくデタラメに
繋ぎ合わされて夢となるのだろう

夢のようなという形容詞は
ふつうは楽しく美しいものの形容だろう
しかし 夢の多くは悪夢といってもよい
そんなにひどい悪夢ではないものの
不気味だったり 不安だったり
ひどい怒りを引き起こすものだったり

夢というのはどこでどのように製造され
私たちの睡眠に送り込まれるのだろうか
それが分かればそのうち今夜見たい夢を
セレクトしたヘッドホンなどをつけて
毎晩 夢の中で楽しい旅や恋愛が楽しめる
といった時代が来るかもしれない
そうすれば 私たちの人生も変わるかも
人生の三分の一を過ごす睡眠の時間に
自分が望む夢を毎晩見ることが出来れば
こんなすばらしいことはないではないか
まさに夢のような夢であろう
人生の三分の一にバーチャルな空間が出来
そこは私たちのアジール 心の避難所とでも
いうべきものになる可能性すらあるではないか
これは 夢革命であり夢のような夢だ
フロイトさんもびっくりの夢革命だろう
彼の説は確かに凄いとは思うが 少し
大げさ過ぎるというか穿ち過ぎているというか

とにかく いい夢をみたいものだ
たまに半分夢であると意識していながら
何と楽しい夢だろうという夢がある
現実はあまりに過酷で人に厳しいものなので
せめて夢だけでも 毎晩 楽しい夢に
恵まれれば人生は大きく変わるだろう
それは 夢のような夢だろうか


ファンレターさまの紹介

 夢だけでも

本当に夢とは何なのでしょう。科学が進歩している現代でも夢をみる大体の仕組みは解明されていても、脳内を自由に操り見たい夢を見る技術はまだ無さそうです。夢で懐かしい人達と再開したり、なりたいものや、やってみたいことが自由に出来たりしたらどんなに良いことでしょう。バーチャルの世界ではこれに近い体験が出来るのでしょうか。毎晩のことなので、せめて夢だけでも良い夢を見て、幸せな気持ちになれたら人生がとても楽しくなって元気に過ごせると思います。楽しい想像が気持ちを一時でも軽くしてくれるのと同じように…。
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