あら川辺危
文字数 363文字
「目を開いたぞ!」
人の声がする。
「救急車は呼びましたからね」
あれ、自分は……そうだ、川の流れに足を取られて流された子供を助けて、だけど何故か足場の石だか何かが傾いて……それで。
子供には危険でも、大人なら膝位しか川に入らないから。そう思った結果が今だ。夏場にニュースになる、助けに行った側だけが亡くなる系のやつ。いや、生きているんだけどさ、自分は。亡くなってニュースになった人だって、自分が死ぬと思いながら、助けにはいかなかったと思うよ、多分。
その後、救急車で運ばれ、一応の検査をした。あちこちに切り傷や擦り傷は有ったものの、脳へのダメージは無し。気を失ってしまってはいたが、呼吸が途切れた時間は短かった様だ。
それにしても、希有な一日だった。子供を助けたことは後悔していない。ただ、油断したことは悔いよう。そう思った。
人の声がする。
「救急車は呼びましたからね」
あれ、自分は……そうだ、川の流れに足を取られて流された子供を助けて、だけど何故か足場の石だか何かが傾いて……それで。
子供には危険でも、大人なら膝位しか川に入らないから。そう思った結果が今だ。夏場にニュースになる、助けに行った側だけが亡くなる系のやつ。いや、生きているんだけどさ、自分は。亡くなってニュースになった人だって、自分が死ぬと思いながら、助けにはいかなかったと思うよ、多分。
その後、救急車で運ばれ、一応の検査をした。あちこちに切り傷や擦り傷は有ったものの、脳へのダメージは無し。気を失ってしまってはいたが、呼吸が途切れた時間は短かった様だ。
それにしても、希有な一日だった。子供を助けたことは後悔していない。ただ、油断したことは悔いよう。そう思った。