遙かなる絆-ランナー第15回■

文字数 1,800文字

遙かなる絆-ランナー第15回■EDO長官オットーは、エスパー部隊に命令し月のアムラーピラミッドに自分の体をジャンプさせた。 そこには懐かしい友が。ムーンウェイの軌道出口に2人はたどり着いたが。

遙かなる絆-ランナー第15回■




地球にある、地球防衛機構(EDO)本部で、EDO長官オットーは、命令を出していた。



「カイロにいる超能力部隊で呼び出せ!

。とりわけ「空間ジャンプ」能力に優れたもの。ここの司令部に呼び出せ」



「わかりました。彼らをこの本部に、自分自身をジャンプさせるのですね」



「ジャンプ」とは、空間移動をいう。



別の係官が報告する



「オットー長官、しかしながら、世界のいる「フイダイ(死の天使)」たちが。不安な動きをしているという連絡が入ってきております」



「何だと」



「いわば同時テロと思われます」



続けて。



「そのテロ、ターゲットは、世界各地に存在する原子爆弾給料倉庫に」



「通常の倉庫は。フエイルセイフが行われていて、核融合は不可能ではないのか」



「それに対する、解除装置対応を行なっている模様です」



本部ジャンプベースに、カイロから、ジャンプしてきた超能力部隊の隊員が、現れ始めていた。



彼らを前にして、宇宙服を着たEDO長官オットーは、明らかに興奮し、命令を出していた。



「私の体を、君たちの力を合わせて月のアムラーピラミッドにジャンプさせるのだ」



「長官、それは、危険ではいませんか」



「今はその論議を言ってる場合じゃない。そのテロをやめさせるためにも私が、アムラー内部にいかねばならん」



「やれ、ジャンプさせろ!」



長官オットーの姿は、本部から、消えていた。



跡に残った、超能力部隊隊員は、すべてをその能力を使い切り、消耗し、全員が息が切れていた。



多くのエスパーの精神的なエネルギーを持って、



長官オットー、は「ジャンプ」を行い、アムラーピラミッド内部に、たどり着いていた。



ピラミッド内部玄室の中で、昔懐かしい「マニ」が実体化し、オットーを、古い友人を迎える口調でいった。



「オットー。君は世界の王になろうとしたね。何を目的として?ええ 犠牲はどれだけだせば 気が済むのだね」





■サムナーはヘルムの側を駆けながら答える。



「サムナー、俺は速度を上げるぞ|



「待て、いいものがある。ただし,マコトのテレポーテーション能力が必要だがな」



「サムナー、いったいこの軌道内に何を入れるつもりだ」



 メースチングクレーターの軌道出口から、大きな発射音が響いてきた。



 そこから飛び出してきたのは「シャトルトレイン」ならぬ「ロケット艇」である。



 EDOの連絡で待ち構えていた、連邦軍の集中砲火を浴びたロケットは大爆発をおこす。



 「ようし、残骸をしらべるんだ」



 しばらくして連邦軍の隊長がいった。隊員がロケットの残骸の方へ近づいていく。



 その間隙をぬって、残骸の中から、マコトを背負ったヘルムが走り出していた。



マコトのバリヤー能力で彼らは爆発から身をまもったのだ。



彼の速度なら、アムラービラミッドまで数分である。



が、アムラーピラミッドまでの道には連邦軍があらゆる火器をしきつめていた。



 やや遅れて、サムナーが残骸から現われ、二人を援助するため、ハンドキャノンを射ちまくりながら



走る。が、全力疾走のヘルムと速度が違う。二人はずっと先を走っている。



 ヘルムの過去の試合のVTRがEDOの情報悩に入力され、彼の走る行動パターンが分析されていた。



その分析結果が、月に設置された連邦軍の高速レーザー砲の照準器に送り込まれていた。



データには月の重力の影響が計算されいる。



高速レーザー砲のすさまじい速射がおこる。



アムラーピラミッド目前、数千m‘まで走っヽていたヘルムの体をレーザーの光条が走り抜けた。



「ぐっ」



「ヘルムー」



マコトが叫ぶ。



彼の生体維持装置は、この一速射でほとんど機能を停止していた。



しかし、ヘルムの体はまだ走っている。



ヘルムは最後の力をふりしぼり、マコトの体をかかえあげると、アムラービラミッドの方へ高く投げた。



 マコトも疲労で意識が原朧としていたが、アムラーピラミッドヘのわずかな距離をテレボートしよう

とした。



その瞬間、マコトの体を速射レーザー砲のレーザー光条が突き抜けた。



 「マ・コ・ト」



 ヘルムはもう眼がほとんどみえなかった。



しかし、ヘルムは走りながら、マコトが射たれたのを感じた。



ヘルムの体に再び、高速レーザー砲の光条が射ち込まれる。



(続く)
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