遙かなる絆-ランナー第9回● 

文字数 1,523文字

遙かなる絆-ランナー第9回● テロリストハンター、サムナーは、作業ロケットでマコト、ヘルムの2人に追いつき、ムーンウェイから出て ロケットに乗り、地球の超能力研究所に戻るように要求する。

遙かなる絆-ランナー第9回●






EDOテロリストハンター、サムナーは、、地球のEDO本部との連絡をあきらめていた。



地球の混乱は極に連しているらしい。データ通信用光ファイバーもずたずたのようだ。



このムーン=ウェイ三十八万キロの中で頼りになるのは自分だけなのだ。



 サムナーはようやく、目標を発見した。



 現在位置と速度を計算し、先回りをして、作業用ロケットを停め、ムーン=ウェイにとりつく。



サムナーは外壁をやぶり、作業回路へ入り、二人の到着を待った。



 通路から軌道へ突然、現われた片目のサイボーグは、マコトとヘルム二人に通信で叫ぶ。



 「ここから先は、おまえ達のようなテロリストを通す訳にはいかん」



 「ぽくたちがテロリストだって。間違いも甚だしいよ。



それより、あなたは一体だれなんだ。あのシャトルに乗っていた人間か。そうではないだろう。



爆発の後、あたりには誰もいなかったはずだ。ヘルム以外には生体反応がなかったはずだから」



マコトが答える。



「笑わせるなよ。テロリストども。おれはEDOきってのテロリストハンター、サムナーだ」

 

「君は誤解しているぞ。おれたちがテロリストのはずがないだろう。



それよりEDOの人間ならば頼む。我々を助けだしてくれ」



「残念ながら、他人はだませても、おれをごまかすことはできんぞ。



え、テロリストども。おまえたちのおかげて、ムーン=ウェイは通行不能になっている。



これがテロの仕業でなくてなんだというのだ」



「我々は、ただあのシャトルトレインに乗りあわせていただけなのだ。犠牲者なんだ」



「そこまで言うのなら、少し驚かしてやろう。



いいか、先頃、我々EDOの者が、地球から月に向けての暗号通信を傍受した。



その暗号の内容はトーチは放たれた、というものだった。



さらに、マニ導師と接触したその子供が月行きのシャトルトレインに乗り込んだ。



次にシャトルトレインは爆発した。なぜか、おまえ連二人だけが生き残っている。



二人が地下組織、死の天使と考えてもおかしくはないんだ」



「どうすれば、君に我々が一般人だと信じてもらえるのかね。サムナー君」



「その唯一の方法は、俺が乗ってきた作業用ロケットに、二人とも乗り移ってもらうしかない。



そして俺の監視のもとで、地球に戻ってもらうことだ」



「もし、それがいやだといえば」



「お宅らは間違ってるぜ。ここまでは、まったく、選択の余地といっものなどありはしない。



俺の命令それが絶対なのだ」



 「好きじゃないな、その話し方。そういうのが、一番苦手なんだ。



僕、そういったかたい頭の人って好きじゃないよ」



マコトがぶつくさいう。



 「俺も、人から命令されるのは、ごの子と一緒で嫌いなのだ」



 「おまえ達、何か、勘違いしているんじゃないか。



この場面で選択肢が幾つあるとおもっているんだ。



いいか、よく聞け。ひとつしかない。



俺と一緒に作業用ロケットでこのムーン=ウェイから飛びだすしかないのだ。



それがどうしてもいやだというのならば、ここで、死んでもらおう」



「サムナーくん、残念ながら、君のありがたい提案にそいかねる。



私は3日以内に月に行かなければならんのだ。



こんどの試合というのは私にとって非常に重大なものなのだ」



「僕も同じだよ。サイコセラフイ研究所ては僕の行くのを首を長くして待っているんだ」



「俺の助けを得ずにどうやって月までいくつもりだね、え、先生がた」



「忘れたのか。俺ヘルムはロードランナー、マッハで走れる男だ」



「むう」

サムナーの喉は変な声をあげる。



(続く)
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