第1話:青梅の仲良し4人組

文字数 1,747文字

 青梅駅から徒歩20分、自転車で5分の市営住宅で、是川修吾と松川百合が、生まれた。吉野健一は、地元で有名な富豪の一族の親戚であり不動産屋を営んでいる。一方、小沢純代は、老舗酒蔵の親戚筋で、酒屋を営んでいた。

 是川修吾の父は、28年前、有名な出版社の小説大賞に選ばれて、受賞作品と、その続編が、かなり売れた。しかし、その後は、設定と作風が古いせいか、中高年、高齢者には評判が良いが、若い人に受けず、次第に売れなくなってしまった。

 そのため、印税を貯金して、その利子で食べていた。しかし、利子がつかなくなってからは、貯金を切り崩し、母は、近くの店にパートに出て生活をしていた。父は、小説を志す人を青梅市の公民館に集め、月に3千円の月謝をもらい指導していた。

 是川修吾も父の影響か、小学校時代から本を読み始めて、中学に入るといっぱしの文学少年気取りだった。松川百合は、音楽が好きで、音感が非常に良いと、小学校の先生に褒められるほどだった。

 音楽と絵が好きで、心優しく、猫、犬、鳥、馬、牛なども直ぐになつく不思議能力を持っていた。明るい性格で、たくさんの友達と遊んでいた。仲間の小沢純代は、絶対音感を持ち記憶力に優れ、昔、話した事もずっと覚えていた。

 そして友達とつるむのは好まなかった。数式に強く矛盾したことを言うと直ぐに指摘する鋭い子であったが、友人は、少なかった。映画が好きで、両親に小さいころから連れて行ってもらった。音楽と美術を愛するお嬢さんと言う感じであった。

 吉野健一は、人情味があって、力持ちで、曲がったことが大嫌いな男だった。理科が好きで、特に化学変化に興味を持っていた。その他、ハイキング、旅行が好きで、奥多摩に出かけては、気に入った写真を撮って、それをアルバムにまとめた。

 そして英語に興味を持っていた。みな、小、中学校まで自転車で通った。中学2年になると吉野、是川、松川、小沢の4人は、広い吉野健一の部屋に集まり是川が国語、小沢が英語、吉野が、理数系を教え、お互いに勉強を続けた。

 勉強していくと松川百合が、一番集中力があり成績が、伸びた。中学3年になると吉野と小沢が、立川高校を是川と松川が、東大和高校を受験する事を決めた。2001年2月に高校を受験して、4人共、希望校に合格した。

 その後、吉野と小沢は、大学受験のための予備校への入学手続きを取った。一方、是川、松川は、自宅で勉強するしかなく、奨学金を借りるため東大和高校に入学後、その手続きとった。

 吉野は、東京工業大学、長津田キャンパスの電気科に小沢は、一橋大学経済学部。是川と松川は、都立大学経済学部へ入った。その後、是川と松川は、大学に通う傍ら、土日に家の近くの高校生の家庭教師をかけ持ちし金を稼いだ。

 そのため、遊ぶ時間がなく、家庭教師の仕事に忙しかった。一方、吉野は、最新式のウインドウズ・パソコンを買ってもらい、インターネットやユーチューブを楽しみ、ソフトウェアの勉強もした。

 小沢は、英会話のCDを買い勉強したりラジオAMの在日米軍向けラジオ局「AFN」聞いて実践的な英語を勉強した。その他、ギターとステレオを自分の部屋に置き楽しんでいた。是川は、バイトの金を貯め中古パソコンを買いインターネットを繋いで情報を得た。

 そしてパソコンを利用してインターネットを使う株投資に興味を持った。以前、吉野のお父さんが、株投資を昔からやっていた事を聞いていたので、是川が、吉野を呼び出し、20歳から株投資をしないかと誘った。

 すると、吉野が、是川に聞きにくいけど資金はいくらあると聞いた。すると全財産で108万円と言った。吉野は、いくらあるのかと聞くと、父が、株をやるなら500万円を貸すと父が、言ってくれたと話した。

 羨ましいなと言うと、吉野が、200万円貸しても良いぞと告げた。もちろん、返せよと言うと、そりゃありがたいと答えた。そして、200万円を借りて、吉野も是川も300万円で、投資を始めることにした。

 2005年5月10日、インターネットのS証券に口座を開き、300万円ずつ入金した。これをきっかけに、吉野と是川は、通っている大学の休みのシーズン、早朝に出て、電車を乗り継ぎ、丹沢へ山登りに行くようになった。
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