第2話

文字数 444文字

ああそれでもわたし。
ママと「そうちゃん」が出会った将棋クラブでのデート。
ガッカリされちゃったかな?
そう、わたしたち、ろくに喋れないんだ。
登校も下校も最早義務。
なんにも言わない。
でも、まだうちには帰らない。
その時間を、わたし、身体が触れる度顔真っ赤にして、離れて、またじわり、くっついて。
告白はあっちからだよ。
なのに、ずるい。
渚音くん、なんにも言わない。
それでも、まだうちには帰らないから、一緒に歩いてた。
わたし、痺れ切らした。
「今度のお休み、デデデデデデデデデ、デートしてくらさいオナシャス!」
あ、ヤバい、確実にデで震えたし、緊張しすぎて最後友達感覚だ。
「うん、何しよっか?」
わあ!
「ショショショ、将棋っわ?えたんのぶすれなかなまら、りくねいわいやまかなのたにゆ!」
「うん。誘ってくれてありがとう。」
ぎゃあああ!
死ぬ。
わたし、ママみたいにはならないんだ。
きっとママ、こんな恐怖から逃げたから。
不細工でも、不器用でも。
動かすまで。
そんなわけで、将棋デートは決まった。
ん?これ、大丈夫なやつ?
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