第2話

文字数 310文字

「僕が居なくなって悲しいと思いますけど、泣かないでください」
ドッと笑い。

前日2学期の学級委員長に選任されたばかりの僕は、別れの挨拶をしていた。

「社長の家に引っ越すから、急で悪いけど転校するよ」
母親に、意思はなかった。
社長とは、母親が家政婦として雇われていた人で、新しく父親になる人の事だ。
僕ら子供たちも、母親に倣って「社長」と呼んでいたので、僕らは立場上父親にあたる人物を「社長」と呼ぶ事になった。

その日の放課後、クラスが一緒になった事がない菅野という女子に呼び出された。
色が白く、はきはきとした美人で、男子から人気があった。
僕は特に彼女に関心がなかったので、なんだろう?と思いながらもひとりで待ち合わせ場所に向かった。
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