第9話

文字数 339文字

屋上に行くと、あのコと数人の友達らしきヤンキーが居た。
話しかけて来たのは、あのコじゃなかった。
とても好みじゃない、ただのヤンキー女。
しかし、僕は断われなかった。
この病気は、この時発症したのかもしれない。
僕なんかを好きでいてくれるなら、好きにならなきゃいけない。
そう思った。
電話番号を渡された。
仕方なく電話した。
わりと家が近所だったので、近くの公園で一度か二度会った。
電話でも公園でも、黙っていた。
何を喋れば良いのか、わからなかった。
ただ、川村は僕がこの人と付き合っていると知ってるんだろうか?とばかり考えていた。
夏休みが終わる頃には、自然消滅していた。
そりゃ退屈だったろう。
申し訳なく思ったが、謝る術を知らなかった。
そして、川村にどう思われるか考えるたびに、耳鳴りが酷くなった。
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