第3話 当日(放課後の縁側で)

文字数 559文字

縁側に座る翔太の膝の上にポン太。

俺ほんっとバカだわ…緊張して眠れないとか小学生か!?ってな…
ポン太は目を閉じたままいつも通りゆったりしっぽをゆらす。
あいつが1人になる時間探してたのに、今日に限ってずっ~と友達と居やがるし…。

あぁ〜告白するな!って事かなぁ…もう、やってらんねぇ~

ポン太を膝の上に乗せたまま、後に倒れる翔太。

大きなあくびをする。

あぁ、やべぇ~眠くなってきた…こんな所で寝たら…風邪ひく…か…
綾音が縁側に駆け寄ってくる。

あっ、いたいた!

えっ、寝てる?

ポン太は膝の上から降り、翔太の顔をなめる。
ポン太、起こさなくていいよ

今日は朝から疲れてるみたいだったから…

綾音、翔太の寝顔を優しい笑顔で見つめる。
そうだ、ちょうどいい
バックから可愛らしくラッピングされた袋を取り出す。
ほら、私達来年受験でしょ? 大好きな翔太に会えなくなるの寂しいから、少しでもそばにいられるようにコレ…チョコと一緒にね!
綾音、紺色のひざ掛けを翔太に優しくかける。
大好きだよ、翔太。

…あっ、これは本人には内緒ね!

口元で人差し指を立てながら、ポン太に向かって優しくウインクする綾音。
ポン太は翔太の顔をペロリとなめ、その後綾音の膝の上に乗る。
今日は昨日より暖かいね~。
翔太のイビキを聞きながら、ポン太は綾音の膝の上でゆっくりしっぽを揺らす。
<完>
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登場人物紹介

谷川翔太(14)

翔北中学校2年A組

佐藤綾音(14)

翔太と同じクラスの幼なじみ

ポン太

称福寺(しょうふくじ)の看板猫

翔太の母

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