第1話 決戦前夜
文字数 843文字
今日は2月13日。
春のような陽気だ。
翔太とポン太はいつものように縁側で『ひなたぼっこ』をしている。
翔太の膝の上で気持ちよさそうにしているポン太。
チラッと顔を上げ、横目で翔太を見たあと、またしっぽを振りながら目を閉じる。
なぁ、ポン太、
なんでさ~「女子」から「男子」にチョコ渡すってなってんだろうな…
ほら、今って、女子の方がいろいろ強いじゃん?
ただでさえ男子の方が立場が低いのに、告白するタイミングも女子の方が有利っておかしいとおもわない?
ポン太は振っていたしっぽを止めて、顔を上げ翔太を見る。
突然、膝からピョンとおりて、翔太の横に体を寄せるように座る。
翔太は隣に座り直したポン太の頭や体を撫でる。
入口門から手を振りながら佐藤綾音が走ってくる。
綾音は翔太の横に座っているポン太の頭を撫でながら腰掛ける。
ポン太は、耳を赤くしながら頭をかく翔太を見た後、綾音を見る。
突然、ピョンと翔太の膝に飛び乗り、ジーっと翔太を見つめる。
綾音は、翔太の膝の上にいるポン太を顔の前まで抱き上げ、ポン太に頬擦りする。
翔太、立ち上がって歩き出し入り口門へ向かう。
ポン太、綾音の腕からすり抜け、ポン太の後を追う。翔太の足元に擦り寄り、体をこすりつける。
翔太はしゃがみ込み、足元で体をすり寄せるポン太の頭をなでたあと立ち上がり、寺をでていく。