第2話 当日(朝)

文字数 461文字

明け方。まだ暗い翔太の部屋。

ベットの中から手を伸ばし、目覚まし時計を手にする翔太。

もう6時…

やべぇ~全然眠れなかった

ベッドから起き上がった翔太は、

鏡の前に立ち、手で顔を覆い下を向く。

目を閉じたまま両頬を手でバシッと叩く。

大きく長く息を吐き、顔を上げ、鏡の自分を見てうなずく。

制服に着替えた翔太が1階リビングに入ると、翔太の母がキッチンにいた。
えっ、何? どうした?

母さんが起こす前に翔太が自分で起きるなんて…具合悪い?

はぁ? 元気だし

てか、俺だってフツーに起きれるし

今日って何か行事あったっけ?

え~っと今日は2月の…

リビングにあるカレンダーを覗き込もうとキッチン窓から身を屈める母の前に立つ翔太。
…は?行事??…べっ、別に何もねぇ~し

……友達とテスト勉強する約束したって昨夜言ったし…

アンタが友達と勉強?

嘘つくな、そんな事一言も…

…あぁ、14日かぁ

はいはい

友達と勉強…がんばって

はいコレ、お弁当

…うっせぇ
笑顔でウインクしながら手渡す母親から、ひったくるようにして弁当を取り、翔太は慌てて朝食のパンとココアを口に放り込む。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

谷川翔太(14)

翔北中学校2年A組

佐藤綾音(14)

翔太と同じクラスの幼なじみ

ポン太

称福寺(しょうふくじ)の看板猫

翔太の母

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色