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文字数 1,022文字

 うっ!啞然とした。確かに毎日、同じ事の繰り返し。何か変わっても、気にも止めず事務的に事を済ませている。
 人と関わるのが面倒なのだ。生きて行く為にただ働いているだけだ。
子供の成長も何も無い。嫁と楽しむ事も無い。
 新たな恋愛など・・・。
同じ目に会うのなら勘弁してほしい、とすら思っている。1人で沢山だ!それが本心だった。

 山田君は、私が何を考えているのか分かっているかの様に、先を続けた。

「最後に団欒コース。こちらは月額20万円で御座います・・・」

 そして、説明が終わると。山田君は、私の目を見詰めた。どうします?と言う目だ。
 何となく騙された気分だが。
まあ、これも何かの勉強かと。

「じゃあ、温もりコースを」

と言った。山田君、破顔一笑。

「ありがとう御座います。では、こちらのアンケートにお答え下さい」

とタブレットを差し出した。
 私がそれを見ると。

「鯛島様の事は、ある程度調べさせて頂きましたが。個人情報は分かりかねますので。
こちらのアンケートで、細かい予定を組ませて頂きます。全部で150問御座います」

と言って、じーっと待っていた。
 私は缶コーヒーをカップに入れ、彼と私の分をちゃぶ台に置くと、アンケートに答えた。
 内容は重複するものもあり。何だか心理テストや医療的なものに感じた。
まあ、良いかと。私は4択5択の質問に丸をつけていった。

 そして、終わると。契約金の支払いの方法や、一度契約すると、終わるまで解約が出来ない事などを納得、確認して、書類にサインをした。最後に山田君は、

「契約を止めたい場合は、ジョナサンと仰有って下さい。それでサービス提供が、ストラップします。しかし、契約金は戻りませんので、
御了承下さい。
それと契約書にも御座いますが。
くれぐれも犯罪行為やセクハラ等は、成さいませんようにお願い致します。
鯛島様に限っては無いと思いますが。
犯罪行為を見付けた場合は、速やかに警察に通報致します。
スタッフへの、パワハラ、セクハラ等は
損害賠償が発生致します。
その辺りは、契約書をお読み下さい。
まあ、普通に生活をなさっていれば、如何なる罰則にも抵触致しませんので。気にする事はないかと存じます。
尚、あなた様の担当が、時にアドバイス等を送る事も御座いますが。その辺は御了承下さい。
ご契約、ありがとう御座いました」

と山田君は、契約書と注意事項の書類を置いて、去って行った。
何とも、怪しい商売だなと思ったが。
 翌日、私は結構、驚かされる事となった。
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