第1話

文字数 524文字

冷え込み。
いや、ずーっと冷え込んだままだ。
11年目。
着実に、料理の質と先のビジョンをいつでも叶えられるオプションは身に付いている。
高い勉強代。
その志、僕の失語症のおしゃべりのせいで、うまく伝わらないまま、そろそろみんな助けてくれなくなってる。
いつ倒れるか、そりゃ不安だろう。
いちばんの友だち、元妻は遠くから、ひとりの親友は甘やかす事をやめ、それぞれに応援してくれてる。
もうひとり。
自分の事業に奮闘しながら、実際にその材料である苔集めの仕事も作ってくれて、ある種共闘してくれる親友。
冬を越えたら、彼との共同プランを動かそう。
僕の山菜やきのこガイドと同様、午前10時から山へ、観察や採取体験のあとにランチ、午後から彼の店で、自分で採って来た苔を使った作品制作体験。
どちらの利にもなって、お客様にも他所では体験出来ないパッケージ。
そうして長く留まる事でよりこの村の良さを知ってもらえるし、或いはお客様同士の交流も深まり、作品制作体験もより楽しいものになるのではないか?
そのうえで僕のとびきり美味しい食材を集めた料理を食べてもらう機会にもなる。
僕より彼のが集客力あるから、こういうのは僕がしっかり組み立てて提案、実現して行くべきだ。
冬の間にしっかり話そう。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み