第5話 主人の動揺
文字数 717文字
「まぁ、いいだろう。なんで気持ちは20代かっていうのはほら、そこの桜が居るでしょ?半年くらい前に雇ったんたが」
「はい」
「その桜と対抗しているような話を聴いたんでね」
「対抗?敵対 心がある?」
「いや、そこまではわからないけど、化粧品はどこどこのがいいとか、美味しいスィーツの店を見つけたとか……まぁ、男にとってみればどうでも良いような話を喜んでしてるからさ」
「なるほど、まぁ、でも普通じゃないですかね?女性ですし」
「……いや、それだけじゃなくてね。このまえなんかインスタばえがどうとかインスタグラムがどうとか言い出したんだ」
「それは……やや若めの趣味ですね」
「私は訳が分からないからどこかの国から入ってきた新種のハエかとおもったんだよインスタバエっていうね。それでその重さの事をインスタグラムというのかとね。そしたら椿のやつ、爆笑してたよ」
「あぁ、なるほど……それは面白い」
私はピクリとも表情筋を動かさずにそう言うと、頭の片隅で確か爆笑というのは二人以上で笑う事ではなかったかという要らぬ蘊蓄 が顔を出した。
そんな話をしていると痺 れを切らしたのか館の主が2階へ上がって来た。
「何事だこれは?」
鷲尾元斎 の顔を見て青くなったのは元也 だった。
「お父さん!金塊が!」
元成は思い出した様に叫んだ。
元斎は元也をチラと一瞥 すると倒れているメイドの側に来て蹲 った。
「……椿。まさか……」
「息はあります。いま、救急車を手配しました」
私はそれだけ言うと倒れているメイドから少し距離を取った。
そうさせる雰囲気が元斎にはあった。
「……そうか、ありがとう」
そういうと後はなにも言わず倒れているメイドの顔に手を当てて項垂 れていた。
その手は心做しか震えている様にみえた。
「はい」
「その桜と対抗しているような話を聴いたんでね」
「対抗?
「いや、そこまではわからないけど、化粧品はどこどこのがいいとか、美味しいスィーツの店を見つけたとか……まぁ、男にとってみればどうでも良いような話を喜んでしてるからさ」
「なるほど、まぁ、でも普通じゃないですかね?女性ですし」
「……いや、それだけじゃなくてね。このまえなんかインスタばえがどうとかインスタグラムがどうとか言い出したんだ」
「それは……やや若めの趣味ですね」
「私は訳が分からないからどこかの国から入ってきた新種のハエかとおもったんだよインスタバエっていうね。それでその重さの事をインスタグラムというのかとね。そしたら椿のやつ、爆笑してたよ」
「あぁ、なるほど……それは面白い」
私はピクリとも表情筋を動かさずにそう言うと、頭の片隅で確か爆笑というのは二人以上で笑う事ではなかったかという要らぬ
そんな話をしていると
「何事だこれは?」
「お父さん!金塊が!」
元成は思い出した様に叫んだ。
元斎は元也をチラと
「……椿。まさか……」
「息はあります。いま、救急車を手配しました」
私はそれだけ言うと倒れているメイドから少し距離を取った。
そうさせる雰囲気が元斎にはあった。
「……そうか、ありがとう」
そういうと後はなにも言わず倒れているメイドの顔に手を当てて
その手は心做しか震えている様にみえた。