第2話 システム開発

文字数 413文字

システム開発の要点は、もとの画像をどの程度まで鈍感にするかだ。

これは、シーンに応じて、鈍感さのレベルを調整する必要がある。また、顧客によって、希望する鈍感さのレベルが異なる。

今回のシステム開発の要点は、AIが、必要な鈍感さのレベルを学習して、自動的に調整してくれる点にあった。

「スイッチを入れますよ」

モニターには、タマの顔がくっきり映し出された。くっきり見えるのは、顔の部分だけで、胴体の部分には、ボカシが入っている。

タマがカメラから離れていくと、胴体のボカシが次第に弱くなっていく。

床と天井のような空間境界のラインには、ボカシは入らない。

カーペットの模様は判別できないが、カーペットの位置は確認できる。

「いい感じに仕上がりましたね。AIって、ダメ出しデータが十分にあれば、短期間で学習できるって本当ですね」

「これ、チューニングレベル3.5です」

「もうちょっと、ボカシが弱くてもよいのは」

「レベル3.0にしてみますか」

「ええ」
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