第８話『幽霊屋敷⑦ プリンセス』
文字数 2,998文字
再び、焦点が定まらない視線を、春彦に向ける博記。
春彦「おいテメェ！！ヒロに何しやがった！？」
ピーチ「チョベリグな愛を与えただけよ。」
ピーチも立ち上がり、逆方向に歩いて行く。
春彦「待てやコラ！！」
ピーチ「イイの？ウチの方ばかり見てて♪」
春彦「なにを…」
言いかけた所で、春彦はバランスを失って倒れる。
博記が飛びかかってきて、春彦を押し倒したのだ。
春彦「クッソ…どうしちまったんだよ！？ヒロ！！」
博記「…。」
そのまま、春彦に馬乗りになったまま、拳を振り上げる博記。
春彦「チョ…。」
待てよ！まで待たずに、そのまま春彦をタコ殴りにする博記。
春彦は両腕を顔の前でクロスさせ、防戦一方になっている。
博記「…。」
暫くの間、春彦をタコ殴りにしていた博記が、ひときわ大きく腕を振りかぶった瞬間、春彦が全力を込めたブリッジをし、博記をハネ飛ばした。
春彦「テメェ…いくらダチだからってよぉ、やって良い事と悪い事があんじゃねェのか？」
肩で息をしながら立ち上がる春彦。
一方、博記は、再びユラリと立ち上がるが、特に呼吸に乱れは無い。
博記「…。」
春彦「確実にアイツに何かされたのは分かってる。分かんねぇのは、どうやったらヒロがエロに…いやエロがヒロに戻るかだ。」
春彦が注意深く博記を観察していると…。
春彦「見つけた…。」
博記の眉間に、キスマークのような、赤い印が刻まれていた。
春彦「アレをどうすりゃイイんだ？消せば良いのか？」
と、春彦の注意が博記に向けられていたその時、背後にピーチが現れる。
ピーチ「チョミラスパベリグッ！油断禁物よん♪」
ピーチは、近くに落ちていた木の棒を振り上げ、春彦に向けて叩きつけた。
が、次の瞬間、春彦は博記の方を向いたまま、持ってた鉄パイプを一瞬で首の後ろに移動させ、ピーチの一撃を受け止めた。
ピーチ「なっ…。」
春彦「甘ぇんだよ。殺気プンプンだぞチョベリバ女。」
ピーチ「くっ…。」
ピーチは春彦と距離を取った。
春彦「あとなぁ…。」（ピーチの方を向く）
ピーチ「？」
春彦「ヒロを従えて二対一だとでも思ってるかも知んねぇが…。」
ゆっくりと春彦に近寄る博記。
春彦「残念ながらコイツァ女にも弱いが、ケンカも弱ぇんだよっ！」
そして振り向きざまに、鉄パイプを下から博記の腹部に叩きこむ春彦。
ピーチ「！！！」
更にそのまま一回転して、その勢いのまま、鉄パイプを博記の腹部目がけて薙ぎ払う春彦。
博記「ッ！！！」
再びフッ飛ぶ博記だが、今度は壁を突き破って、部屋の内部までフッ飛ばされてしまう。
春彦「どうせ味方にするんなら、オレ様のように強ぇヤツにするんだな。」
ピーチ「じゃぁ接吻しちゃう？」（唇をチュパチュパさせながら）
春彦「するか！！」
春彦が叫ぶと同時に、ピーチが持っていた木の棒が、日本刀へと姿を変える。
ピーチ「えっ？これ…。」
春彦「どういうこった…？まさかオレのセクシーボイスに反応した？」
ピーチ「あのお方が…近くに…？」
春彦「あのお方？」
ピーチ「このシェアハウスの女王…。プリンセス・セン子ゥ。」
春彦「何か、カスってるよなその名前。てかまさかその名前…。」
ピーチ「知ってるの？チョベリグ？」
春彦「オメェも居ただろ。あのババアがそう名乗ってたやろが。」
ピーチ「え？」
ピーチは、セン子が名乗ってる頃には既に菜々子と闘っていたため、聞いていなかったのである。
ピーチ「まさかあのお方が、そんなに近くまで来てくださっていたなんて…。」（刀をマジマジと見つめて）
春彦「チッ…。ヤベェなコリャ…。」
ピーチ「このチカラは、あのお方のチカラのオコボレに過ぎない…。プリンセス・セン子ゥ様の。」
春彦「絶対に『ゥ』はワザと付けてるよな。」
ピーチ「余裕だなニンゲンよ。」
ピーチは、持っていた刀を下に構える。
春彦「…。」（鉄パイプを構える）
そこに、唐突に春彦の背後から声がかかる。
菜々子「パルピコ！！パルピコッ！！！」
春彦「なんだよ！！って…ソレを自分の名前だと認識してしまう自分が悲しい…。」
菜々子「あれエロは？」
春彦「昼寝しとる。」
菜々子「ゴメンけど、イッちゃん助けて！巨大化したババアにヤられそうなん！」
春彦「巨大化…？」
菜々子「この女はアタイがブチのめすけん。」
ピーチ「舐められたチョベリバ。アンタ、ウチに剣を折られたの、忘れたの？」（下に構えていた刀を肩に担いで）
菜々子「だってアレ、ドンキで買ったヤツやもん。」
春彦「…。」
菜々子「早く！イッちゃんのとこに行ってパルピコ！！」
春彦「わぁったよ。ったくアッチコッチソッチドッチ。」（と言いながら歩き去る）
ピーチ「大した自信ね。」
菜々子「ねぇアンタ。マリオに何されたん？」
ピーチ「！！！」
菜々子「何か忘れられない、許せない事があって、この世に留まり続けてるんじゃないん？」
ピーチ「マ…マリ…。」（刀を落とす）
菜々子「あんなババアに貢ぎ続ける必要なんか無いとよ。さっさと成仏して、輪廻の流れに従い、転生した方が良いと思う。」
ピーチ「転生…。」
菜々子「そしたらさ、またギャル…ちゃんとしたギャルになって、恋もして、ちょっぴり悪い事もしてテヘペロ。で、大人になって、大切な人と結婚して…。そんな未来に、もう一度チャレンジしてみたらイイやん。」（下手くそなウインクして）
ピーチ「…。」
菜々子「マリオの事なんか忘れてさ。」
ピーチ「許せない…。マリオは…ウチから…ウチから…。」
ブルブルと小刻みに体を震わせるピーチ。
菜々子「やっべ…コレ違うスイッチ入っちゃった…。」
ピーチ「ウチから奪った純情をぉぉおおぉぉぉぉっ！！！」
菜々子「ちょっ、落ち着こう？ね？タピオカでも飲んでさ！！」（飲みかけのタピオカミルクティーを差し出す）
ピーチ「ってあれ？」
菜々子「へっ？」
ピーチ「ウチ、マリオに何を奪われたの？」
菜々子「ちょっとマジで落ち着こ？」（タピオカミルクティーを飲む）
ピーチ「…思い出せない…。」
菜々子「うごほぉっ！！げはっ！！ゴホゴホっ！！がっはぁっ！！！」
勢いよく飲んだため、タピオカが喉に詰まり、激しく咳き込む菜々子。
ピーチ「ウチ…何も奪われてないかも…。」
菜々子「ちょっ…ゴホゴホっ！！まっ…まってガハァ！！たっ…タピ…げはぅ！！」
ピーチの告白をよそに、勝手に死にそうになっている菜々子。
ピーチ「じゃぁウチは何に対して…。」
菜々子「まっゲホゥ！！まってガハッ！！ゴッホゥ！！！！」
激しく咳き込む菜々子のクチから勢い良く飛び出したタピオカ。
菜々子「げほぅ…はぁはぁ…何とか死なずに済んだ…。」
ピーチ「アンタのお陰よチョベリグ。」
菜々子「えっ？」
ピーチ「どうやらウチは、あのお方に操られてたみたい。」
菜々子「思い込まされてたって事？」
ピーチ「どうやらね。」
菜々子「なぁに、礼には及ばんよ。」
半分は咳き込んで死にそうになっていたクセに、クチの端からミルクティーをたらしながら胸を張る菜々子。
ピーチ「でも…。」（落ちていた刀を拾う）
菜々子「…。」（クチからたれていたミルクティーを拭う）
ピーチ「アンタとはマジでヤッて決着つけたいチョミラスパベリグ。」
菜々子「オッケイ。アタイもマジモード入るわ。」（イツの間にか腰に下げていた鞘から短剣を引き抜く）
ピーチ「正気に戻させてくれた事は礼を言うわ。」（刀を構えて）
菜々子「成仏させてやるけん。」（同じく短剣を構える）
果たして菜々子のマジモードは、何秒もつことやら…。
春彦「おいテメェ！！ヒロに何しやがった！？」
ピーチ「チョベリグな愛を与えただけよ。」
ピーチも立ち上がり、逆方向に歩いて行く。
春彦「待てやコラ！！」
ピーチ「イイの？ウチの方ばかり見てて♪」
春彦「なにを…」
言いかけた所で、春彦はバランスを失って倒れる。
博記が飛びかかってきて、春彦を押し倒したのだ。
春彦「クッソ…どうしちまったんだよ！？ヒロ！！」
博記「…。」
そのまま、春彦に馬乗りになったまま、拳を振り上げる博記。
春彦「チョ…。」
待てよ！まで待たずに、そのまま春彦をタコ殴りにする博記。
春彦は両腕を顔の前でクロスさせ、防戦一方になっている。
博記「…。」
暫くの間、春彦をタコ殴りにしていた博記が、ひときわ大きく腕を振りかぶった瞬間、春彦が全力を込めたブリッジをし、博記をハネ飛ばした。
春彦「テメェ…いくらダチだからってよぉ、やって良い事と悪い事があんじゃねェのか？」
肩で息をしながら立ち上がる春彦。
一方、博記は、再びユラリと立ち上がるが、特に呼吸に乱れは無い。
博記「…。」
春彦「確実にアイツに何かされたのは分かってる。分かんねぇのは、どうやったらヒロがエロに…いやエロがヒロに戻るかだ。」
春彦が注意深く博記を観察していると…。
春彦「見つけた…。」
博記の眉間に、キスマークのような、赤い印が刻まれていた。
春彦「アレをどうすりゃイイんだ？消せば良いのか？」
と、春彦の注意が博記に向けられていたその時、背後にピーチが現れる。
ピーチ「チョミラスパベリグッ！油断禁物よん♪」
ピーチは、近くに落ちていた木の棒を振り上げ、春彦に向けて叩きつけた。
が、次の瞬間、春彦は博記の方を向いたまま、持ってた鉄パイプを一瞬で首の後ろに移動させ、ピーチの一撃を受け止めた。
ピーチ「なっ…。」
春彦「甘ぇんだよ。殺気プンプンだぞチョベリバ女。」
ピーチ「くっ…。」
ピーチは春彦と距離を取った。
春彦「あとなぁ…。」（ピーチの方を向く）
ピーチ「？」
春彦「ヒロを従えて二対一だとでも思ってるかも知んねぇが…。」
ゆっくりと春彦に近寄る博記。
春彦「残念ながらコイツァ女にも弱いが、ケンカも弱ぇんだよっ！」
そして振り向きざまに、鉄パイプを下から博記の腹部に叩きこむ春彦。
ピーチ「！！！」
更にそのまま一回転して、その勢いのまま、鉄パイプを博記の腹部目がけて薙ぎ払う春彦。
博記「ッ！！！」
再びフッ飛ぶ博記だが、今度は壁を突き破って、部屋の内部までフッ飛ばされてしまう。
春彦「どうせ味方にするんなら、オレ様のように強ぇヤツにするんだな。」
ピーチ「じゃぁ接吻しちゃう？」（唇をチュパチュパさせながら）
春彦「するか！！」
春彦が叫ぶと同時に、ピーチが持っていた木の棒が、日本刀へと姿を変える。
ピーチ「えっ？これ…。」
春彦「どういうこった…？まさかオレのセクシーボイスに反応した？」
ピーチ「あのお方が…近くに…？」
春彦「あのお方？」
ピーチ「このシェアハウスの女王…。プリンセス・セン子ゥ。」
春彦「何か、カスってるよなその名前。てかまさかその名前…。」
ピーチ「知ってるの？チョベリグ？」
春彦「オメェも居ただろ。あのババアがそう名乗ってたやろが。」
ピーチ「え？」
ピーチは、セン子が名乗ってる頃には既に菜々子と闘っていたため、聞いていなかったのである。
ピーチ「まさかあのお方が、そんなに近くまで来てくださっていたなんて…。」（刀をマジマジと見つめて）
春彦「チッ…。ヤベェなコリャ…。」
ピーチ「このチカラは、あのお方のチカラのオコボレに過ぎない…。プリンセス・セン子ゥ様の。」
春彦「絶対に『ゥ』はワザと付けてるよな。」
ピーチ「余裕だなニンゲンよ。」
ピーチは、持っていた刀を下に構える。
春彦「…。」（鉄パイプを構える）
そこに、唐突に春彦の背後から声がかかる。
菜々子「パルピコ！！パルピコッ！！！」
春彦「なんだよ！！って…ソレを自分の名前だと認識してしまう自分が悲しい…。」
菜々子「あれエロは？」
春彦「昼寝しとる。」
菜々子「ゴメンけど、イッちゃん助けて！巨大化したババアにヤられそうなん！」
春彦「巨大化…？」
菜々子「この女はアタイがブチのめすけん。」
ピーチ「舐められたチョベリバ。アンタ、ウチに剣を折られたの、忘れたの？」（下に構えていた刀を肩に担いで）
菜々子「だってアレ、ドンキで買ったヤツやもん。」
春彦「…。」
菜々子「早く！イッちゃんのとこに行ってパルピコ！！」
春彦「わぁったよ。ったくアッチコッチソッチドッチ。」（と言いながら歩き去る）
ピーチ「大した自信ね。」
菜々子「ねぇアンタ。マリオに何されたん？」
ピーチ「！！！」
菜々子「何か忘れられない、許せない事があって、この世に留まり続けてるんじゃないん？」
ピーチ「マ…マリ…。」（刀を落とす）
菜々子「あんなババアに貢ぎ続ける必要なんか無いとよ。さっさと成仏して、輪廻の流れに従い、転生した方が良いと思う。」
ピーチ「転生…。」
菜々子「そしたらさ、またギャル…ちゃんとしたギャルになって、恋もして、ちょっぴり悪い事もしてテヘペロ。で、大人になって、大切な人と結婚して…。そんな未来に、もう一度チャレンジしてみたらイイやん。」（下手くそなウインクして）
ピーチ「…。」
菜々子「マリオの事なんか忘れてさ。」
ピーチ「許せない…。マリオは…ウチから…ウチから…。」
ブルブルと小刻みに体を震わせるピーチ。
菜々子「やっべ…コレ違うスイッチ入っちゃった…。」
ピーチ「ウチから奪った純情をぉぉおおぉぉぉぉっ！！！」
菜々子「ちょっ、落ち着こう？ね？タピオカでも飲んでさ！！」（飲みかけのタピオカミルクティーを差し出す）
ピーチ「ってあれ？」
菜々子「へっ？」
ピーチ「ウチ、マリオに何を奪われたの？」
菜々子「ちょっとマジで落ち着こ？」（タピオカミルクティーを飲む）
ピーチ「…思い出せない…。」
菜々子「うごほぉっ！！げはっ！！ゴホゴホっ！！がっはぁっ！！！」
勢いよく飲んだため、タピオカが喉に詰まり、激しく咳き込む菜々子。
ピーチ「ウチ…何も奪われてないかも…。」
菜々子「ちょっ…ゴホゴホっ！！まっ…まってガハァ！！たっ…タピ…げはぅ！！」
ピーチの告白をよそに、勝手に死にそうになっている菜々子。
ピーチ「じゃぁウチは何に対して…。」
菜々子「まっゲホゥ！！まってガハッ！！ゴッホゥ！！！！」
激しく咳き込む菜々子のクチから勢い良く飛び出したタピオカ。
菜々子「げほぅ…はぁはぁ…何とか死なずに済んだ…。」
ピーチ「アンタのお陰よチョベリグ。」
菜々子「えっ？」
ピーチ「どうやらウチは、あのお方に操られてたみたい。」
菜々子「思い込まされてたって事？」
ピーチ「どうやらね。」
菜々子「なぁに、礼には及ばんよ。」
半分は咳き込んで死にそうになっていたクセに、クチの端からミルクティーをたらしながら胸を張る菜々子。
ピーチ「でも…。」（落ちていた刀を拾う）
菜々子「…。」（クチからたれていたミルクティーを拭う）
ピーチ「アンタとはマジでヤッて決着つけたいチョミラスパベリグ。」
菜々子「オッケイ。アタイもマジモード入るわ。」（イツの間にか腰に下げていた鞘から短剣を引き抜く）
ピーチ「正気に戻させてくれた事は礼を言うわ。」（刀を構えて）
菜々子「成仏させてやるけん。」（同じく短剣を構える）
果たして菜々子のマジモードは、何秒もつことやら…。
