04.黒ずくめの男
文字数 3,586文字
あなたたちが話していると柚香のお腹がくーと鳴りました。
あなたたちはマクドナルドにやって来ました。
かほりと光路郎は柚香を置いて行ってしまいました。
宗太郎は注文をし、お会計を終えました。
柚香にトレイを渡し、光路郎とかほりがいるテーブルに向かいました。
宗太郎と光路郎の横で、かほりはチョコパイをスマホで写真に収めています。
宗太郎は「夢のある女の子だな」という顔で柚香を見ます。
かほりは聞こえなかった振りをして写真を撮り続けます。
カシャッ、カシャッと、かほりは再び写真を撮影し、光路郎は黙々とビックマックを食べています。
宗太郎は突然「あ」と言ってレジに行ってしまいました。
チキンナゲットを買ってきた宗太郎はテーブルへ戻らず、違う席に座りました。
疲れたのかふう~と溜息を吐き、チキンナゲットを一つ食べます。
チキンナゲットが1個減った箱を持って宗太郎がテーブルに戻ってきました。
かほりはチキンナゲットが1個減っていることに気付き、宗太郎の心情を察しました。バーベキューソースの蓋を開け、べちゃっとナゲットをソースにつけました。
あなたたちはマクドナルド近くのフードコートにいます。
ユニクロやゲームセンターなどに寄ったので、すでに3時頃になっていました。周囲にはあまり人はおらず、フードコートはかなり空います。
近くにいる一人の男性がチラチラとこちらを見ていることにあなたたちは気が付きました。
その男性は、黒のTシャツに黒のパンツ、黒いキャップをかぶり、サングラスにマスクという全身黒ずくめです。
男は突然立ち上がり、その場から離れて行ってしまいました。
座っていた椅子に大きな手荷物を残していました。
柚香は男が残した荷物のほうに近付いていき、宗太郎は柚香を追います。
柚香に大きな声で呼ばれ、男は一瞬立ち止まりました。しかし足早にその場から離れて行ってしまいました。
光路郎は席に座ったまま柚香と宗太郎に声をかけ、かほりはチョコパイをもぐもぐと食べています。
柚香が荷物を持ち上げようと手を伸ばした瞬間、荷物が爆発しました。
辺りは大きな爆音と閃光に包まれました。
あなたたちは爆発の影響によりそれぞれ四肢を失ってしまいました。
かほりは右腕と右足を、光路郎は左腕を、そして宗太郎は両足を失いました。宗太郎はその場から動けなくなり、ただ口をパクパクさせるだけです。
やがて宗太郎とかほりは惨状と痛みで気を失ってしまいました。
光路郎は片腕を無くし意識がなくなりそうな朦朧とした状態でありながらも、救護隊員たちの会話が聞こえてきました。
[隊員]
うわあひどいな…………1,2,3人か
[隊員]
いや、ここにもう一人
この子は気の毒だがもう助からないな
他の三人も出血がひどくて、これは助からないかも知れない
助かっても腕や足がこれじゃな…………
[隊員]
まだキミ、意識があるじゃないか!
救護隊員は急いで光路郎に近付きます。
[隊員]
大丈夫か? しっかりしろ!
光路郎はその声に応えようとしましたが、段々と意識が薄らいでいき、暗い世界へと落ちていきました。