第4話

文字数 180文字

 純一郎の未亡人が晩年語った思い出話がある。
 純一郎が帰国してしばらく後、マリーの下宿に彼を訪ねてきた男があった。
 黒い山高帽に黒マントの陰気な男。
 純一郎の帰国を聞き、大変残念がった。
 名前を尋ねると、
 
 「ジャックという者」

と答え、ロンドンの霧に消えていった。


 参考資料・會津信吾
      「文明開化の切り裂きジャック」


      
       
    
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登場人物紹介

織田純一郎

 明治時代のジャーナリスト。肩書に「日本の草分け」が並ぶ才人。ロンドンで切り裂きジャック事件に遭遇する。

尾崎行雄

 後の国会議員。1888年秋、ロンドンに在住。

 織田純一郎の切り裂きジャック事件取材を批判する。

マリー未亡人

 織田純一郎の下宿先の女主人。

謎の男

 織田純一郎の生涯に関わった人物の中で今もよく分からない人物。

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