第2話

文字数 665文字

でも最後の授業のマラソンは、ちょっときつかったです。



体育の先生はとても厳しい方で、わたしに遅れてもいいから完走しろと言われました。



長距離のマラソンです。どんどんわたしは遅れて、ついには周回遅れ。



マラソンを終えて、待ってくれているクラスメート達が不安そうに見ています。



どくんっ…!



胸に覚えのある高鳴りを感じました。



けれどここで倒れるわけにはいきません。



みんなが待っていてくれているのです。頑張って完走しなければ…!



…そう思っていたのに。



高鳴りはやがて、もやのように胸の中に広がっていきます。



どくんっ、どぐんっ!



高鳴りが鳴るにつれ、もやが体中に広まっていきます。



自分ではどうすることもできません。



やがてもやは手足にまで及び…わたしはまた、倒れてしまいました。



遠くから、クラスメートや先生が駆け寄ってくるのが見えたのを最後に、わたしは意識を手放しました。



―意識を取り戻した時、わたしは見慣れた保健室のベッドの上でした。



保険医の先生が制服を渡してくれて、着替えました。



すると保険医の先生が送ってくれると言ってくれたので、甘えることにしました。



すでに外は夕暮れに染まっています。



保険医の先生は申し訳なさそうに、体育の先生のことを言ってきました。



あの後、体育の先生は他の先生やクラスメート達から激しく抗議を受けたそうで…。



本当に申し訳ない気持ちで、いっぱいになりました。

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