第1話

文字数 703文字

わたしは一人、廊下を歩きます。



登校中の生徒達の中、教室に向かって。



まだ朝早い時間のせいか、生徒の数もまばらです。



でも向かいから、3人組の女の子が歩いてきました。



廊下に響くような大声を上げて、それは楽しそうな笑顔で…。



わたしは思わず俯いてしまいました。



生まれ付き病弱な体のせいか、わたしはああやって声を上げて笑うことができないのです。



ところが俯いていたせいで、



どんっ!



「きゃあっ!」



3人組の1人にぶつかって、廊下に倒れてしまいました。



だけど女の子達はそんなわたしの姿を見て、くすくす笑っています。



お互いわざとじゃないにしろ、そんな態度をすることはないのに…。



そう思った時でした。





どくんっ!



胸の中心で、何かが高鳴ったのです。



その動きは激しくなり、心臓まで激しく動き出しました。



「ぐっ…! がほっ、ごほっげほっ!」



たまらず咳き込みだしたわたしを見て、さすがに3人組は目を丸くしました。



どんどん人が集まってきて、その中の数人がクラスメートで、わたしを助け起こしてくれました。



そしてぶつかった3人に、激しく怒っています。



わたしの体質のことは、クラスメートなら知っていることです。



なのでクラスメート達は、何かとわたしを庇ってくれるのです。



やがて高鳴りはおさまり、わたしは普通に息ができるようになりました。



クラスメート達の助けを借りて、教室に入りました。



その後も何かと気を使わせてしまい、本当に申し訳がないです。

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