「作家志望」を名乗っているので、たまには真面目に語ってみる

文字数 1,367文字

はい、ということで第二回です。

さて、今回は、小説内で使われている技法に注目して紹介していきます。

こっちは素人だから、分かりやすくお願いするよ。
え~と、がんばります。

いくつかあるので、箇条書きにしますね。

●最初の一文が共通している。最終のみ、少し違う。

●パロディ

●入れ子構造

●メタフィクション

●結構な頻度で出てくる相撲ネタ

●気がつけばそこにある忠臣蔵ネタ

●本のレイアウトに合わせた細部の調整

たぶん他にもあるかもしれませんが、私が見つけたのはこんな感じです。
結構あるね。
どうします?

上から順に紹介しましょうか? それとも、気になるところからにします?

気になるところからにしようかな。

じゃあ、たまに聞く「メタフィクション」から。

登場人物が「自分は物語の登場人物だ」と、自覚している表現をする時の手法ですね。
分かるような、分からないような。
例えば、小説や漫画の登場人物が、いきなり「今は120ページ目だから、中盤くらいかな?」と言ったら、どう思います?
一瞬、「ん?」て思うな。で、ページ数確認する。
その時、本当に120ページ目だったら?
あ~、なるほど。なんとなく分かった気がする。
パロディの要素にも絡んできますが、実在する作家の名前も出てきます。

「○○先生に怒られる」みたいな感じです。

あ、そうか。実在する作品使ってるから。
作中だけでなく、各タイトルの本編始まる前にも謝ってますね。
あとは、目次を見てもらうと分かるんですが、作者の名前が全部違うんですよ。
でも、結局は京極夏彦さんが書いてるんだよね?
それはそうなんですが。名前が違うのには、ちょっとした仕掛けがあるです。

それでは、その仕掛けに関わる「入れ子構造」について紹介しますね。

入れ子って、サイズ違いの入れ物に綺麗に収まるやつ?
そうですね。

今回の場合は、「Aという作品は、実はBに登場する作家が書いたもの。作品BはCの登場人物が書いたもの」という構造になっています。

あ、それで作者の名前が全部違うのか。

ん? 待って、ややこしくなってきた。

まぁ、これはあくまで作家志望の目から見た注目ポイントです。

普通に読むだけであれば、そこまで難しく考えなくても大丈夫ですよ。

あ、最後に「本のレイアウトに合わせた調整」について解説させてください。
新書と文庫本って、サイズが違いますよね。両方を読み比べてみると分かりやすいんですが、同じシーンでも表現が微妙に違うことがあるんです。
デジタルだったらコピペでも良さそうだけどね。ページ数の調整?
それもあると思います。もっと詳しくいうと、京極作品全般の特徴として、台詞や地の文がページを跨がないんです。
どういうことかというと、ページを跨がないということは、読みやすいことに繋がるんです。
ん~。具体的には?
ちょっと待ってくださいね。極端な例を出します。

「明日、九時までに各自で食材持参


して集合」

「明日、九時までに食材持って集合」なら、どっちが読みやすいですか?

あ、なるほど。確かに、跨がないほうが読みやすい。
え~。すいません。最後って言いましたけど、ちょっと謝らないといけないことがあります。
ひょっとして、まだ続くとか?
続きます。正確に言うと、文字数が少し足りないので、急遽、第三回もやります!
文字数?
これがメタフィクションです!
え!?
すいません。まだ続きます。
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登場人物紹介

紹介する人…京極夏彦作品はわりと読むほう。「百鬼夜行」シリーズは文庫分冊版派。

紹介される人…京極夏彦作品の名前は聞いたことがあるが、読んだことはない。

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