文字数 426文字

青い輪郭に限定された
虚偽の秘密が眠り、朽ち果てて消えていく
僕は眺めながら、シンクの底にたまった
楓を直視していたのかもしれない
とにかくそれは降り続いて、夢見心地のまま眠り始めた
「どうしてそこにあるはずのものが
輪郭を描いて歩いていたら
存在しているのだろうか」
全てが空白の中に沈み込んで
新しい玩具を探していた
蘇ったそれらは手に入れた安息の
もうじき訪れるものを手に入れようとしていた
裏返ってみれば
全てが向けられている苦痛の中で
もがいていたのは八月の海だった
「それは持続しているのか
憂愁の中にすら
ぼんやりと浮かんでいる」
とにかく歩き始めて
 太陽が無数に散らばる
  無くしたものを囲い込むように
過ぎてみれば何もなかった気がした
「現実は古い角度の
淀んだ湖のように」
しばらくして全てが消え去ったような
欲しかったものが宙を舞っているので
蝶のように手元に手繰り寄せた
「本当の味は現実だろうか?
(導いた影に導火線が映る)
それでもまだ続いていく」
僕は進み始め、その時、空を見た
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