文字数 442文字

面影蘇れば謎の雲
「自由のコーヒー床に散らばり、残骸は朽ちる」
青い飛行は時期に止むだろう
ただ酔いの中に咲いた破片が
蘇る不確かな影を帯びて
過ぎてしまえば安息の破片が
散らばっていく(形の失った影に投影されるから)
歩き出せば長い焦燥感が塗りつぶされていく
「歪んだ輪郭に落ちていった……」
これは揺らいでいった形を真似て
何もない屈折を描いている
日本晴れの庭に咲けば
チューリップは移ろいを隠して
それだけが残り続けたから
優しい雨は未だに破裂しそうな
夥しい群れの快晴に
病んだ記憶が結びついている
「それ自身が不確かな残響なのか」
今でも思い起こす殺伐が
「消え去っていくのは暗い輪郭だから」
それも光の束が狂えるように
懐かしい光を浴びて
ぼやけていく感覚の宇宙に
「草臥れたのは疲弊の装置が続き」
進んでいけば遠くが散らばっていくのは、無暗な雑草の
思いだけが残り続けるように
心臓の音色が重なれば連なっていく
引きはがされたものを思い起こすように
「響き続けるのは落ちていった」
それ自身が暗闇を真似て
進んでいこうとしている

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