第1話
文字数 403文字
街の外れの方に、新しい植物園ができたという。郵便ポストの中に、今朝、そのチラシを見つけた。スタッフが色鉛筆で描いたのだろう、デフォルメされた花々のイラストが並んでいた。
カーテンを開けて、私はベランダに出た。昨日降った雨のせいで、アスファルトがきらきらしている。でも雲はほとんど残っていないし、風もない。少し日差しが強いけれど、素晴らしい日だと私は思った。
「ねえ、植物園に行かない?」と私は七香に声をかけた。
七香はジグゾーパズルの手を止めて振り返った。
「どうぶつえん?」と七香は言った。七香はいつもゆっくりと喋る。
「動物園じゃなくて、植物園。お花がいっぱいあるの」と私は説明した。
ふうん、と言って、七香はジグゾーパズルを再開した。
七香は私の従姉妹で、もうすぐ七歳になる。夏休みの間、両親の仕事が忙しい時に、七香はこうして私の家に預けられる。左右に分かれたの三つ編みは、毎朝ママが編んでくれるらしい。
カーテンを開けて、私はベランダに出た。昨日降った雨のせいで、アスファルトがきらきらしている。でも雲はほとんど残っていないし、風もない。少し日差しが強いけれど、素晴らしい日だと私は思った。
「ねえ、植物園に行かない?」と私は七香に声をかけた。
七香はジグゾーパズルの手を止めて振り返った。
「どうぶつえん?」と七香は言った。七香はいつもゆっくりと喋る。
「動物園じゃなくて、植物園。お花がいっぱいあるの」と私は説明した。
ふうん、と言って、七香はジグゾーパズルを再開した。
七香は私の従姉妹で、もうすぐ七歳になる。夏休みの間、両親の仕事が忙しい時に、七香はこうして私の家に預けられる。左右に分かれたの三つ編みは、毎朝ママが編んでくれるらしい。